リジェネラティブな事業、募集中。LUSHが総額20万ポンドを授与する「Lush Spring Prize」

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英国発のコスメブランドLUSH(ラッシュ)と、英国の消費者団体であるエシカルコンシューマー・リサーチアソシエーションが、環境や社会の再生に取り組むリジェネラティブなプロジェクトに総額20万ポンド(約3,200万円)を授与する「Lush Spring Prize 2023」のエントリー募集を開始した。

※1ポンド=160円換算

リジェネラティブ(regenerative)とは、「再生的な」を意味し、環境負荷をできるだけ抑えるだけではなく、むしろ積極的に回復・再生させる概念として注目されている。特に農業の分野では、土壌を修復・改善しながら自然環境の回復につなげることを目指す「リジェネラティブ農業」が盛んだ。この概念が生まれた背景には、環境や経済社会の持続性を意味するサステナビリティではもはや不十分な状況にあり、プラスの成果を生み出していく必要がある、という考えがある。

2017年に設立されたLush Spring Prizeは、これまでさまざまな事業に対して合計82万ポンド(約1億3,120万円)を授与してきた。プロジェクトの表彰を通じて、実行者を取り巻くコミュニティと生態系が調和しながら共存し、さらに新たな価値を創造するような事業を見出したい、としている。過去には、東ティモールでパーマカルチャーを推進する「Permatil(パーマティル)」などが受賞した。

Lush Spring Prize 2021、エスタブリッシュド・プロジェクト賞受賞「Permatil(パーマティル)」

Lush Spring Prize 2021、エスタブリッシュド・プロジェクト賞受賞「Permatil(パーマティル)」

長年NGOに勤めていた筆者の経験では、これまで環境面・社会面双方を対象とする表彰や助成金は少なかった。だが本来、双方の健全性を「再生」させなければ、この社会の未来をつくることは難しい。その意味では、今後の社会課題の解決において、必要不可欠な視点を示唆する表彰と言えるのではないだろうか。

主な賞は、以下の通りだ。

  • インテンショナル・プロジェクト賞:画期的なアイデアを用いた、開始1年未満の初期段階プロジェクトが対象
  • ヤング・プロジェクト賞:しっかりした実績のある開始1~5年のプロジェクトが対象
  • エスタブリッシュド・プロジェクト賞:5年以上の実績があり、周囲に影響を与えているプロジェクトが対象
  • インフルエンス賞:政策提言やロビー活動、キャンペーンの展開に従事するプロジェクトが対象

今回の表彰事業について、LUSHの公式ウェブサイトでは「プロジェクトで経験したことを共有することが、他社にもより良い影響を与え、その状況に対してその知識を調整し、再生のムーブメントを発展させることができると信じています」とのコメントがある。

応募期間は、2022年9月19日(月)まで。環境と社会、双方を再生させていくためにはどんな課題があるのか、どうすれば解決していくことができるのか。そんな今まさに必要な英知がここから見出されることを期待したい。

▶︎ 実際の応募や、応募資格などの詳細はこちら:Lush Spring Prize 2023

【参照サイト】「Lush Spring Prize 2023」募集開始 リジェネラティブなプロジェクトに総額20万ポンドを授与
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Edited by Kimika

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