CO2排出ゼロの「カーボンニュートラル」な卵、イギリスの大手スーパーが採用

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2022年8月、英国の大手スーパーマーケット・モリソンズは、カーボンニュートラルな自社ブランド卵の販売を開始した。カーボンニュートラルな卵は、2021年12月に世界で初めて米国で発売されたが、英国では今回の事例が初となる。

「プラネットフレンドリーエッグ」と名づけられたその卵は、大型の風力タービンとソーラーパネルが備わる農場で生産されたもの。同農場では、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを用いることで、生産過程で排出される二酸化炭素の排出量を押さえつつ、やむを得ず出てしまう排出分については、農場内に木を植えることによって相殺しているという。同農場で生産された卵がカーボンニュートラルであることは、ケンブリッジ大学による調査で証明されたそうだ。

加えて同農場では、従来エサとして使われてきた大豆の代わりに、昆虫や、地元で栽培された穀物を鶏に与えているという。

近年、大豆の大量生産に起因するブラジルの森林破壊や、大豆の長距離輸送の際に生じる二酸化炭素の排出が問題になっている。鶏のエサに大豆を使用するのをやめるのは、そうした問題の発生を防ぐことが目的だ。また、鶏のエサとして与えられている昆虫は、モリソンズから出た食品廃棄物をエサにして育てられたものだという。

モリソンズの農業責任者であるソフィー・スロープ氏は、自社の公式ブログで次のように語っている。

「私たちは2030年までに、ゼロエミッションの国内農場からのみ商品を調達する体制を整えることを目標にしています。今回の取り組みも、その大きな目標の一部です。

卵はほとんどの家庭で、毎週定期的に購入されるもの。それがカーボンニュートラルになる影響力は絶大でしょう。18か月間にわたる農家との協働の末に、この卵がようやくモリソンズの棚に並んだことを大変嬉しく思います」

プラネットフレンドリーエッグは、モリソンズと農家とが協力してゼロエミッション農場のモデルを作成する取り組みの、最初の事例となった。モリソンズは今後、牛肉や羊肉、果物、野菜などの分野でも同様の取り組みを広げていく予定だという。

プラネットフレンドリーエッグの価格は、6個パックで1.50 ポンド(約242円)。まずはヨークシャー地方の50店舗と、ロンドン北東の町リトル・クラクトンにある環境に配慮された特別店で販売され、2023年には全国展開が予定されている。

米国に続き、英国でもカーボンニュートラルな食材の事例が続く今。そう遠くない未来に、産地や鮮度、安全性や飼育方法などに加えて、気候に配慮した農場で生産されているか否かを加味して食材を選ぶようになる人が、両国で増えるのかもしれない。

【参照サイト】WE’VE LAUNCHED OUR OWN LINE OF CARBON NEUTRAL EGGS
【参照サイト】Morrisons becomes first supermarket to launch its own carbon neutral eggs

Edited by Motomi Souma

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