海洋ごみも買える!?新品と廃品が一緒に並べられたポップアップショップ「JUNKTION」

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都心の大型商業施設には、雑貨、化粧品、服など、さまざまな商品が売られている。所狭しと並べられた「モノ(商品)」は賑やかで、楽しく、何よりも、とにかく量が多い。

そんななか筆者は2023年5月、東京・渋谷の高層複合施設、渋谷ヒカリエを訪れた。目的地は、工場から出たプラスチックごみや、海洋ごみなど、変わったものが売られているポップアップショップ「JUNKTION(ジャンクション)」だ。なぜ、「ごみ」ばかりを並べているのか。

工場から出たプラスチックごみ

工場から出たプラスチックごみ

さまざまな古道具

さまざまな古道具

ごみとして捨てられていたものでも、「欲しい」と思い買う人はいるのではないか。そんな考えに基づいて展開されたのがこのJUNKTIONだ。ごみを出さないゼロウェイストな暮らしを考える一般社団法人530と、家具の設計業務などを行うスタジオものやが主催している。JUNKTIONという店名は、廃品を意味する「junk」から来ているという。

同店が売っていたのは、廃品だけではない。スタジオものやが新しく制作した、ごみ箱スツール(椅子)も売られていた。多くの廃品や古道具のなかに、まぎれ込んだかのように置かれていた、スタジオものやの制作物。「ものやの店だから、ものやが作ったものを目立たせよう」という意図が希薄に見え、それがとても新鮮だった。

新しいものを生み出すことばかりに、重きを置かない。新しいものも古いものも、同じように並べて売る。そんなJUNKTIONの姿勢は、ごみをできるだけ出さない店を作るうえで、大切なのかもしれない。

また、ごみを減らすための工夫は他にもあった。商品を置く棚はすべて、段ボール箱を組み合わせて作ったという。ポップアップショップが終わって棚を分解すれば、段ボール箱は別の用途で使うことができるからだ。

筆者は、店の人に説明されるまで段ボール箱だとは気づかなかったほど、「いかにも段ボール箱を積んでいる」という雰囲気は感じられなかった。あまり倉庫感を出したくない店でも、取り入れられるかもしれない。

海洋ごみが、段ボール箱でできた棚に載っている

海洋ごみが、段ボール箱でできた棚に載っている

「大量生産・大量消費」という言葉が頭に浮かびやすい大都会の店で、かつてごみだったものたちを、これだけまじまじと見つめるのは、面白い体験だったと感じる。「ごみとは何だろう」と、あらためて考えた。

【参照サイト】8/01/COURT/JUNKTION
【参照サイト】スタジオものや
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