【7-8月 東京・広島開催】「1945年8月6日」以前の“平和な一日”に触れる。暗闇の対話プログラム・PEACE IN THE DARK

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戦争を経験した人々は、どんな声で、どんな表情で、どんなことを語るのか。現在の10・20代はそれを本人から生きた体験として見聞きする最後の世代と言われている。実際、小中学生の74.7%は身近に戦争経験者がいない(※)。今、戦争と平和の記憶をどう語り継ぐかが問われているのだ。

そして2025年、戦後80年を迎える。10年、20年後には、さらに語り手が減ってしまうであろう中、社会として広く記憶の継承について考え、語る場が東京と広島に生まれた。

2025年7月5日(土)〜8月31日(日)まで、東京・竹芝のダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」にて、1945年8月6日以前の“ある一日”を暗闇の中で追体験できる企画が開催される。平和をテーマにした体験型プログラム「平和のためのダイアログ・イン・ザ・ダーク PEACE IN THE DARK」だ。

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、暗闇のスペシャリストである視覚障害者の案内のもと、完全に光を遮断した暗闇の中で、人と人とが視覚以外の感覚を通じて関わり合うソーシャル・エンターテイメント。これを土台とした「PEACE IN THE DARK」では、参加者が民家を訪れ、当時使われていた品々に触れながら、戦時下の暮らしや、人を想う静かな気持ちに触れていく。1945年を見つめなおす光のインスタレーションも導入され、暗闇の中に浮かぶ光を通じて内なる問いや感情を深める場が設計されたという。

また「広島市被爆80周年記念事業」の一環として、広島市でも8月2日(土)〜11日(月・祝)に同プログラムが開催される。会場は、被爆建物である旧日本銀行広島支店。ここは原爆投下後の混乱の中で、通帳も印鑑も失った市民の自己申告を信じて預金を払い戻した「日銀の奇跡」と呼ばれる出来事が生まれた場所でもある。

今回のプログラムは、知識・情報の伝達や、戦争を擬似体験させるものではなく、過去に生きた人々の思いに触れ、今を生きる私たちの言葉で平和を語るためのきっかけを生む体験として位置付けられている。

黙るのではなく、話すこと。戦争の反対語は、対話だから──そのスローガンの通り、戦後80年にして暗雲の立ちこめる混沌とした国際情勢にあるからこそ、人と人が対話し続けられる場を守らなくてはならない。今夏、私たちは語り継がれるか否かの瀬戸際にある戦争と平和の物語に触れるだろう。その一つひとつに記憶が宿っていることを感じ、継承のあり方を共に考えていきたい。

開催概要

▼東京開催

プログラム名 PEACE IN THE DARK(東京開催)
会期 2025年7月5日(土)〜8月31日(日)※一部休演日あり
会場 ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」(東京・竹芝)
住所 東京都港区海岸1丁目10−45 アトレ竹芝 シアター棟 1F
体験時間 約90分
料金(税込) 大人4,950円/学生2,750円/小学生550円
予約 WEBサイトより

▼広島開催

プログラム名 PEACE IN THE DARK(広島開催)
会期 2025年8月2日(土)〜11日(月・祝)
会場 旧日本銀行広島支店
住所 広島県広島市中区袋町5−21
予約 WEBサイトより事前予約制。7月1日よりチケット予約スタート ※ 2025年7月14日現在満員
料金 無料
主催 一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ
共催 広島市、中國新聞社

【調査結果】戦争と原爆に関する子どもと保護者へのアンケート「原爆の認知度」小・中学生全体で79.0%、中1~中3では9割超/子どもが原爆を知った方法 1位は「学校の授業や教科書」で約7割(67.9%)|光村図書出版株式会社 PR TIMES

【参照サイト】ピース・イン・ザ・ダーク(東京)(25/7/5-8/31)|ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森®」
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