今や、世界中のどこにいてもインターネットさえあればすぐに良質な教育を受けられる環境が整ってきている。この教育の民主化を実現しているのが「MOOC」だ。MOOCとは「Massive Open Online Course」の略で、誰もがオンラインで受講できるオープンな講座のことを指す。
MOOCの元祖とも言えるKhan Academyを始めとして、現在では世界中の大学やGoogle、Microsoftといった民間企業もMOOCに参加しており、edXやFutureLearnといったオンラインプラットフォームと大学や企業が手を組んでサービスを提供している。
プラットフォームは多数あるため、利用者側からすると公開されている講座を全て把握するのが難しい。そういうときに使うと便利なのが、Class CentralというMOOCのための検索エンジンサイトだ。現在40ものMOOCプロバイダーの公開講座をまとめており、受講したい講義のテーマや大学名から横断検索できるようになっている。
QUARTZの記事によると、過去6年ほどで800校近い大学が計8,000以上ものMOOCを公開してきたという。そしてここ3か月だけでも、200校以上もの大学が600もの無料オンライン講座を公開しているとのことだ。知の広場はインターネットの世界でも広がり続けている。
リストには、東北大学の「memento mori-死を想え」、滋賀大学の「高校生のためのデータサイエンス入門」など日本の大学もいくつか見受けられる。東京大学が公開している19世紀日本の文学や美術を学ぶ講座を担当しているのは、テレビでも見かけることが多いロバート・キャンベル氏だ。
そんな発見もありながらの大学オンライン講座。高校生が大学の雰囲気を掴むために視聴するのも良し、学生時代にもっと学んでいればよかったと後悔している大人が使うのも良し。講座のほとんどは英語なので語学学習にも役立ちそうだが、基本的には役立つ、役立たないといったことではなく教養という贅沢品を身につける心構えで受講したいものだ。ネットでもリアルでも、大学とはそういう場なのだから。
【参照サイト】200 universities just launched 600 free online courses. Here’s the full list.
【参照サイト】Class Central