オランダの港町ロッテルダムに、プラスチックゴミをリサイクルしてつくった140平米の水上公園が誕生した。
この水上公園の目的は、「水辺で集めたプラスチックゴミはリサイクルに適しており、貴重な材料である」ということを証明することだ。廃棄されたプラスチックを再利用して建築ブロックをつくることで、人が乗れる足場を作り出している。
現在、世界的汚染の一つとなっている海洋プラスチック。その大部分は、川を経由して海にたどり着く。水上公園プロジェクトを率いた、リサイクル島財団の創立者Ramon Knoester氏はこう語る。 「多くの都市において、水は最も低い地点にあるためにゴミがたまるが、自分が住む街と港でプラスチック製品を集めれば、海洋プラスチックの増加を防止できる。ロッテルダムは、港町として世界にこれを示していくだろう。リサイクルプラスチックでつくる建築ブロックは、ゴミのない水辺への重要なステップだ。」
リサイクル島財団は、世界的なプラスチック汚染に対して活発に活動している財団だ。川や河口のゴミを集めて、プラスチックを再利用することで、人々の意識の向上を促すことを目標としている。関係省庁や企業のサポートを受けながら、リサイクル島財団は5年の年月を経て水上公園を完成させた。
貴重な材料であるプラスチックゴミ収集は、2つの方法で行った。ボランティアによる水辺でのゴミ拾いと、ゴミ収集装置だ。同財団は開発したゴミ収集装置をロッテルダムの3か所に設置して実験を行い、改良を重ねた。この装置は大型船航行や、潮および風向きの変化の有無にかかわらず、効率的に機能し、川の流れを利用してプラスチックを収集できる。これは米シカゴで開発された、河川清掃オンラインゲームにも似ているかもしれない。
そして、集めたごみを分別して、リサイクルプラスチックで六角形の建築ブロックをつくり、水深0.5メートルの小運河に浮かべて植物を植えた。水上に誕生した新しい緑は、小さな魚と鳥の住み処となる。より深い水域に入る前に、ここに留まるのだ。さらに、カタツムリや幼虫、かぶと虫や魚などの生息地となり、新たな生態系が生まれる。
IDEAS FOR GOODでは以前、同じオランダで行われている「アムステルダムの運河ツアーでプラスチックゴミを釣り、リサイクル製品をつくる」試みをご紹介した。水の豊かなオランダで、今回新たにプラスチックゴミを再利用するプロジェクトが完成したことは喜ばしい。
ベンチに腰を掛ければ、波を感じながら、水音や鳥のさえずりが楽しめる。ロッテルダムの新しいオアシスだ。プラスチックゴミから生まれた水上公園が、人、魚、鳥、植物を幸せにする。
【参照サイト】Recycled Park
(※画像・情報提供:Recycled Island Foundation)