現在、世界的な問題となっている海洋プラスチックゴミ。内陸部に住んでいるとその深刻さを実感することはあまりないが、台風の後などに海岸に行ってみると、その惨状に唖然とする。砂浜には、どこから流されてきたのかも分からないゴミが散乱し、波打ち際にはペットボトルやビニール袋が漂う。
2050年にはプラスチックゴミの方が魚よりも多くなると予測されており、各国で研究および対策が行われている。
フィンランド技術研究センターも、プラスチックゴミ問題対策のための研究を行う組織の1つだ。彼らの行うプロジェクトの名前は「PlastBug」。海上を移動しながら、海に漂う大量のプラスチックゴミを減らすコンテナを開発するプロジェクトだ。
「我々のアイデアは、プラスチックゴミを分解して、燃料や化学物質のような貴重な物質に変えるコンテナを設計することだ。」と同研究センターの科学者 Kari Koivuranta氏は語る。
このプロジェクトでは、まずプラスチックゴミがたまり、ゴミの収集やリサイクルができないような場所に、コンテナのような小さな工場を開発することを目指す。そして研究センターが集めた微生物がプラスチックを分解するのだ。コンテナは浜辺や船上に設置でき、太陽光や風力といった自然エネルギーから必要な電力を得るという。
今年、PlastBugプロジェクトの研究者は、異なる種類のプラスチック製品(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、またはポリエチレンテレフタレート)を分解できる微生物を探し出し、プラスチックの前処理方法を開発した。
研究者らは現在、さまざまな物質から微生物を3段階でスクリーニングする方式を採用している。いくつかの微生物は、スクリーニングの2段階目で得ることができた。3段階目ではその微生物がプラスチックを消化できるかを確認する。
Plastbugチームは、2018年8月にフィンランド環境庁が主催した「Meriroska(海洋ゴミ)チャレンジ」において、2位を受賞している。
パイロットユニットは2021年にバルト海での操業開始を目標としているが、この計画を実行するにあたっての投資が必要だという。もし、このプロセスが十分に機能すれば、PlastBugユニットは商業用生産が行われ、世界中のあらゆる場所で作動するようになる。
微生物がプラスチックゴミを分解して、燃料や化学物質のような貴重な物質に変えるというフィンランドの取り組み。今後の研究開発に期待したい。
【参照サイト】VTT is developing microbes that degrade plastic as a solution to marine plastic waste problem