スターバックス、世界5都市で再利用・堆肥化可能なカップを試験導入へ

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プラスチックはコストパフォーマンスが高く、腐敗しないという特徴があり、製造者、消費者双方にとって便利な素材だ。英紙ガーディアンによると、世界中で購入されるペットボトルの数は、毎分100万本にも及ぶ。

一方で2018年には多くのグローバル飲食チェーンがプラスチックストローの廃止を発表したことをご存知だろうか。

その背景には、プラスチックによるゴミ問題がある。1950年代から生産が始まったプラスチックの、今までに生産された総量は、約83億トン。これらが大量に海に流れこむことによる海洋汚染や、生態系の破壊が問題視されている。また、生活用品に含まれるマイクロプラスチックは、人体にも影響を及ぼすことが懸念されるようになった。

私たちの生活からプラスチックを完全になくすことは難しいのが現状だが、ストローのような比較的取り組みやすいものから、環境問題に取り組む企業が増えている。

コーヒーチェーン大手のスターバックスも、プラスチックストローの廃止をはじめ、プラスチックゴミ問題に取り組む代表的な企業の一つだ。同社は、2022年までにリサイクル量や容器の再利用率を倍増させることを目標としている。

Image via ShutterStock

スターバックスは、来年にかけてニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、バンクーバー、ロンドンで再利用およびコンポスト(堆肥化)可能なコーヒーカップを試験導入することを発表した。容器にプラスチックの代わりとなる繊維や紙を使用し、それぞれの地域の環境に合わせて提供する予定だ。

サーキュラーエコノミーへの投資ファンドであるClosed Loop Partnersとスターバックス、マクドナルドらが主導する業界横断型イニシアチブのNext Gen Consortiumは、飲食業界におけるシングルユースのパッケージ削減に取り組んでいる。新たなカップには、Next Gen Consortiumが主催するオープンイノベーションコンテスト「NextGen Cup Challenge」から生まれた技術を活用する。

また、来年には米国とカナダの全ての拠点において、軽量でリサイクル可能かつストローを使わずに済む蓋の提供を開始する。

さらに、モバイルアプリで、コーヒーの調達プロセスを追跡できるサービスを提供する。顧客は、パッケージをスキャンすることでコーヒー豆の栽培から加工、取引、焙煎されてパッケージ化されるまでの過程を確認することができる。

これにより、商品のコーヒー豆の80%がコロンビア産、20%がブラジル産のものであるなど、原料原産地を確認することができ、店舗で提供されるコーヒーが100%倫理的かつ持続的な方法で調達されていることを理解することができる。

持続可能なパッケージの再設計には、長期的な改革が不可欠である。持続可能な方法で顧客にコーヒーを提供するために、地球環境の問題に真摯に向き合い、先進的な取り組みを進める同社の今後に期待したい。

【参照リリース】Greener cups, fewer straws and tracing your coffee’s journey via app
【参照サイト】NextGen Cup Challenge
【参照サイト】A million bottles a minute: world’s plastic binge ‘as dangerous as climate change

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