廃棄していい野菜なんてない。「いびつ」な野菜を割安でデリバリーする“Imperfect Produce”

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世界で生産される食料の約3分の1は、食べられることなく廃棄されている。味や栄養面では問題はないが、色や形、大きさなどが規格から外れる野菜は、市場では売り物にならないためそのまま捨てられるのだ。アメリカでは、栽培される野菜のうち20%以上が、スーパーなどの規格基準を満たさないという。

今回紹介するのは、そのような形や大きさなどが「いびつ」とされる野菜や果物を格安で販売し、自宅まで配送してくれるサービス「Imperfect Produce(インパーフェクト・プロデュース)」だ。以前IDEAS FOR GOODでは、フランスの大手スーパーが格安で規格外野菜を販売するブラックマーケットについて取り上げたが、今回のサービスではスーパーに行く必要もない。

Imperfect Produceでは、形や色が不揃いで売れない野菜を農家から買い取り、スーパーにある野菜の定価から約30~50%引きした価格で販売している。販売されている野菜は、たとえば規格よりも大きい、または小さい玉ねぎ、変形したパプリカ、表面に傷のあるオレンジ、味は美味しいが食べる文化がなく捨てられてしまうブロッコリーの葉など、30~40種類がストックされている。

Imperfect Produceの野菜

Image via Imperfect Produce

ユーザーは、複数の野菜や果物が入った箱をオンラインで注文できる。必要なものをカスタマイズした箱にすることも、中身がランダムなお楽しみ箱にすることもできるという。

Imperfect Produce

Image via Imperfect Produce

Imperfect Produceを立ち上げたBen Simonさんは大学時代、学校の食堂で多くの食べ物が廃棄されていることを知り、余った食品をシェルターに寄付する学生ボランティア団体Food Recovery Network(以下、FRN)を設立した経歴をもつ。そして彼は、FRNの活動の中で出会ったBen CheslerさんとImperfect Produceを立ち上げた。同団体では、「完璧さにとらわれている世界において、不完全であることの美しさを示す」というビジョンを掲げている。

Imperfect Produceのメンバー

Image via Imperfect Produce

2015年の創業以来、彼らの活動によって7000万ポンドものの野菜や果実が捨てられずに済んだそう。現在、シカゴやロサンゼルスなどアメリカ国内の15の主要な都市でサービスを展開しており、2019年末までには30以上の地域でサービスを行いたいと考えている。

Imperfect Produceによって、農家は売り物にならなかった野菜を売ることができ、消費者は手頃な価格で野菜を購入することができる。まさに一石二鳥のサービスだ。市場では必要とされない規格外野菜を生かすImperfect Produceは、われわれの食への意識を変えるきっかけになるのではないだろうか。

【参照サイト】Imperfect Produce
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