#Vote for Good 私の未来は、私が決める。投票をより身近にする企業のアイデア5選

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こちらの動画がSNS上などで話題を集めている。

この動画は、2018年アメリカ中間選挙の際、若者の投票を促すキャンペーンとして政治団体ACRONYMが製作したものだ。

温暖化なんて、あなたたちの問題よ。私たちはもう先が長くないのだから。
インスタで意識高い系の投稿をしてみたり、ちょっとしたデモに参加してみたり、きっとこのビデオをシェアしたりもするんでしょう。でも、あなたたち若者は投票しない。
若者たちよ、どうかそのまま投票しないままでいて。(そうすれば、投票に行く私たちにとって良い世の中になっていくはずだから)

そう語る高齢者たち。勝ち誇ったような表情を見ると、背筋が凍ってしまいそうになる。

政治家たちが優遇するのは、「声をあげる人」だ。意見を持っていても投票に来ない人たちに配慮したって、仕方がないからである。

2019年7月21日、第25回参議院議員通常選挙の投開票が行われる。今回の選挙は、18歳選挙権施行以降に行われる国政選挙として3回目、令和に改元されてから初めての選挙となる。2017年の衆議院議員総選挙における投票率は、全年代を通じて53.68%。年代別の投票率は10歳代46.78%、20歳代33.85%、30歳代44.75%で、若い年代の投票率が低いことが分かっている。

──もう世も令和だというのに、こんな言説がまだまかり通っているのか。これまでずっと変わらなかったことなのだから、自分が投票したところで状況が簡単に変わるわけがない。──そう思いたくもなる。

だが、投票に行っても行かなくてもどうせ同じだと諦めることは、「自分の未来を諦める」ことでもあるのだ。

美味しいものを安心して食べられるように。自分が自分らしくいられるように。性別や国籍など関係なく、愛する人のそばにいられるように。──投票に行くのは、選挙ポスターで拳を握って微笑んでいる政治家を支持するか・支持しないか、そんなことを示すためではない。少し先の未来にいる自分が心から笑っていられるように、こんな未来を望んでいるという自分の意思を表明するために、他でもなく「自分のため」に、私たちは投票するのだ。

「投票」をもっと身近にする企業のアイデアたち

「選挙に行かない」ことへの危機感を抱き、ユニークなアイデアで投票を促そうとしている企業がある。今回は5つのアイデアを紹介する。

01.投票日は閉店
パタゴニアが投票日に閉店

「Vote Our Planet 私たちの地球のために投票しよう」

アウトドアブランド・パタゴニア日本支社は「従業員が、家族や友人、大切な人たちと語り合い、投票に行くことができるように」との想いから、選挙日当日、直営店22店全店を閉店することを発表した。パタゴニアでは「Vote Our Planet 私たちの地球のために投票しよう」というキャンペーンを行っており、7月中には各地で「ローカル選挙カフェ」というイベントも開催している。「選挙をしたらどうなるか」というそもそもの部分から、暮らしや社会問題の気になることまで、選挙にまつわる様々なテーマについて気軽に話せるというもの。

02.投票に行った後は、お得に食事を
選挙割

選挙割

ラーメン店・一風堂が行うのは、「投票済証明書」を提示することで、替え玉や玉子が無料になるというキャンペーンだ。この選挙割引サービスは、もともと「センキョ割」というサイトが地域や企業に呼びかけ広めているもの。飲食店を中心にキャンペーンに参加する店が増えており、該当の店舗では割引や特典などのサービスを受けられる。

03.気軽なマッチング診断で、考えるきっかけを
政党との相性診断画面

政党との相性診断

10問の設問に答えると、政党との考え方の一致度を確認することができる「政党との相性診断」。こちらはヤフーのウェブサイトにて提供されているコンテンツだ。「診断」ということで、気負うことなくトライすることができるのが魅力。

04.「選挙行ったよ!」をオシャレに、楽しく
Instagramストーリーズで使える選挙スタンプ

Instagramストーリーズで使える選挙スタンプ

Instagramでは、ストーリーズで使える期間限定の「選挙スタンプ」が登場した。選挙スタンプは2018年11月に中間選挙に合わせて米国で初めて誕生した機能で、今回の選挙に向けて日本でも初めてローンチされた。

投稿が24時間で消えるストーリーズは、気軽に使用できると人気の機能で、若者の間でも広く浸透している。また、Facebookでは、投票日当日、ユーザーに投票へ行くよう呼び掛ける「投票者メガホン」アイコンが出現する。

05.自分とは違う意見を知り、考えを深める
「どっち」アプリ画面

「どっち」アプリ画面

Tomoshi Bito株式会社がリリースした、みんなの意見がわかるニュースアプリ「どっち?」。このアプリ内に参院選特集カテゴリーが開設された。参院選の争点に関するニュースがまとめられているほか、賛否を問うトピックに対し、ユーザーが投票できるようになっており、どのくらいの割合の人が、どのような理由でトピックに賛成・反対しているのかを知ることができる。他人の意見を知ることが自分の意見を持つことにつながるように、そして投票に行く人が増えるようにとの意図。一つ一つのトピックに対して、自分はどうだろうと考える機会になるうえ、専門家ではなく一般ユーザーのリアルな意見を知ることができるのが面白いポイントだ。

何も言わなければ、「同意」とみなされてしまう

悪が勝利するために必要なたった一つのことは、善良な人たちが何もしないことである。
──エドマンド・バーク(イギリスの哲学者)

人類の歴史には、誰も反論できなかった結果、罪なき人が命を落とすことになってしまったことだってある。今は、大量虐殺が起ころうとしているわけではないが、「声を挙げない」ことを突き詰めるとどうなってしまうのか、心に留めておく必要があるだろう。

一人ひとりの声には力がある。MeTooのハッシュタグで溢れたSNSのタイムラインや、デモに参加する人たちで溢れた隣国のニュース映像を思い出してみてほしい。

「まだこんなステレオタイプが蔓延してるの?」「こんなの、おかしい」と感じたとき。絶望して諦めそうになるところを、ぐっと踏みとどまってみる。そして思い出してみる。「何かできないか」を考えて、小さな行動を起こしている人たちがいるということを。

未来をつくるのは、私たち一人ひとりだ。自分のため、大切な人のために、選挙に行こう。

【参照動画】「Dear young people, “Don’t Vote”」
【参照サイト】総務省「国政選挙における年代別投票率について」
【参照サイト】パタゴニア「Vote Our Planet」
【参照サイト】一風堂
【参照サイト】センキョ割
【参照サイト】Yahoo!JAPAN「政党との相性診断」
【参照サイト】Instagram、第25回参議院選挙に向けて 「選挙スタンプ」を日本初ローンチ
【参照サイト】どっち?(Docch) グラフとコメントでみんなの意見がわかるニュースアプリ