英大学、ペットボトルを義肢にアップサイクル。コスト削減で開発途上国に貢献

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世界で手足を切断した経験のある人は、推定1億人。主な原因は糖尿病と交通事故の二つで、どちらも増加傾向にある。切断する前と同じように生活するには義肢(人口の手足)を使うという方法があるが、義肢は高価なため、開発途上の地域などでは手が届かない患者が多くいるのが現状だ。

そこで、英レスター大学工科学研究所のカンダン博士が始めたのが、廃棄ペットボトルから紡績されたポリエステル糸を使用した義肢の製作だ。業界平均の5,000ポンド(約65万円)と比較して、つくるのに要した費用は10ポンド(約1,300円)と大幅なコストダウンを実現した。

ペットボトルを義肢に

Image via de Montfort University

このプロジェクトの目的は、義肢用の低コストの代替材料を見つけること。カンダン博士は、同じく英レスターにあるデ・モントフォート大学のエンジニアや、義肢研究者、インドの障がい者リハビリテーション組織などと協力し、医学研究機関が直面する課題の研究を支援する「グローバル・チャレンジ・リサーチ・ファンディング(GCRF)」から資金援助を受けた。

最初の義足プロトタイプは、2人の下肢切断者の協力のもとテストされ、見事に成功した。「インドに行って2人の下肢切断者に試用してもらいました。1人は膝上切断で、もう1人は膝下切断です。二人は本当に感動していました。義肢は軽くて歩きやすく、通気性も良いので、インドの暑い気候にも理想的だと言っていました」とカンダン博士は説明する。

義肢テストに協力した二名

Image via de Montfort University

カンダン博士はさらに「再生プラスチックのアップサイクルによる低コストな義肢の提供は、世界的な課題です。私たちは、下肢切断者にとって費用対効果が高く、快適で耐久性のある義肢を開発したいと考えていました」と述べる。

いま、プラスチックによる環境汚染から「利用を控えよう」という動きのあるペットボトル。これをただ燃やすのではなく、有用な資源として活用し、開発途上国の手足が不自由な人々が買える義肢につくり変える。2つの問題を一手に解決する、なんとも有意義な取り組みだ。

【参照サイト】Researchers turn plastic water bottles into prosthetic limbs