エコで楽しいランチに。バルセロナで人気の再利用可能なサンドイッチ・ラップ

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持ち歩くのが恥ずかしいレジ袋でエコバッグ持参を促すカナダのスーパーや、バラ野菜用にビニール袋の代わりに再利用可能なネットの袋を販売するスーパーなど、小売店が提供するビニール袋を減らす取り組みが世界中で起こっている。日本でも環境省が小売店によるレジ袋無料配布廃止の法令化を進めており、普段から買い物をするときに、エコバッグ持参を心がけている方も多いのではないだろうか。

筆者の住むスペインでも、レジ袋削減や簡易包装は人々の買い物スタイルとして定着しつつある。そして今、「買うとき」ではなく「食べるとき」のゴミ削減に注目したエコなアイテムが、スペイン第二の都市バルセロナで注目を集めている。

バルセロナでは、学校やオフィス、アウトドアに出かける時、サンドイッチやフルーツを家で準備しランチとして持参する人が多い。しかしその大半がプラスチックの密封保存袋やサランラップ、アルミホイルなどで包まれており、食べ終わった後はそのまま捨てられてしまっている。

家から持参する食品包装の多くが使い捨てされていることに注目し、新しいランチのあり方を提案するのが、バルセロナのスタートアップ、マルカディフェレンシア社(Marcadiferencia S.L.)だ。同社が手がけるブランド「ロールイート・バルセロナ(Roll’eat Barcelona)」は、「リユース&リエンジョイ(再利用して、また楽しむ)」をモットーに、様々なランチシーンで楽しめる再利用可能な食品包装を展開している。

同社はもともと、オフィスの分別用ゴミ箱や再利用可能な携帯コップといった環境行動を促すプロダクトを扱っていた。「毎日のランチタイムからゴミを減らそう」という思いから始まった「ロールイート・バルセロナ」。特にバルセロナの雑貨店で最近よく見かけるのが、同ブランドのサンドイッチ・ラップRoll’eat Barcelona「ボックン・ロール(Boc’n Roll)」である。「Boc」とはスペイン語でサンドイッチを意味するボカディージョ(Bocadillo)が由来している。

このサンドイッチ・ラップは、何度も洗って使用可能なのでゴミ削減につながる。拭き取りや折りたたみが可能で持ち帰りやすい点も、ユーザーにとってはありがたい。食品が直に触れるので素材にも配慮しており、人体に悪影響を及ぼす懸念があるとされるBPA(ビスフェノールA)は使われておらず、ポリエステル生地と熱可塑性ポリウレタンからできている。デザインは、より一層楽しいランチタイムを過ごしてもらえるよう、カラフルな柄が多い。

「ボックン・ロール」は、環境意識の高い企業や公共機関、教育機関からも注目を集めている。例えばバルセロナ市が推進する「モア・サステイナブル・スクール(More Sustainable Schools)」というプログラムでは、学校での環境教育の一つとしてランチゴミを減らすため、「ボックン・ロール」が学生たちに支給された。

同社の発表によると、プロジェクト開始から5年間で約160校、27,000人の生徒がプログラムに参加し、31,500個以上の「ボックン・ロール」が支給されたという。この再利用可能なアイテムの利用により、使い捨てのランチゴミが1年で1,408kg削減され、使い捨てラップの使用も75%から45%に削減したという。

「ロールイート・バルセロナ」のシリーズは、他にもフルーツやスナックなどを携帯する袋「スナックン・ゴー(Snack’n Go)」を含め、バラエティに富んでいる。価格は10ユーロ前後(約1,200円)と、お手頃なお弁当箱に近い価格帯だ。

台所から生まれる使い捨てゴミを減らしながら、楽しいランチタイムを過ごすファッショナブルでエコなアイテム。スペインの街角で当たり前になる日もそう遠くないかもしれない。

【関連サイト】Roll’eat Barcelona
【関連サイト】Marcadiferencia

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