2019年9月8日、9日、日本列島を直撃した台風15号。台風が過ぎ去った今も、とくに被害の大きかった千葉県南部や伊豆大島など一部の地域では、停電や断水が続いている模様だ。
今回の記事では、防災セットがなくても身近なもので対応できる簡単なライフハック術をご紹介する。
01. 明かりをとる
▷懐中電灯+α
懐中電灯に身近なものをプラスするだけで、ぐっと明るさがアップする。
皆さん、お持ちの非常持ち出し袋に懐中電灯は入っていますよね?一工夫してランタンに替える活用術。懐中電灯の上に水を入れたペットボトルを乗せるだけで、光が乱反射して周りを照らすことができますよ。懐中電灯が小さい場合は
コップに入れてやってみてください。火を使わないので安全です。 pic.twitter.com/2g7jp5l6rR— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) March 1, 2017
あるいは、コンビニやスーパーでもらう白っぽい半透明の袋を懐中電灯にかぶせるのでもOKだ。
▷ツナ缶ランプ
アレンジしやすい缶食材・ツナ缶は、家庭に常備している人も多いのではないだろうか。缶詰めのオイルを利用して、簡易的なランプを作ることができる。
【身近なモノ活用術】ツナ缶の油を利用したランプです。缶に穴を開け、芯を差し込みます。芯には綿のひも等が良いそうですが、コーヒーのフィルタをこよりにして作ってみました。2時間位もちます。もちろん中身も食べました(油が減ってヘルシーかも) pic.twitter.com/cqqeOFN7f0
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) November 28, 2013
▷サラダ油ランプ
サラダ油、キッチンペーパー、アルミホイル、キッチンにある3つのモノを使ってランプを作ることもできる。
停電時に活用できる簡易ランプを作成しました。耐熱ガラスのコップにサラダ油を入れ、キッチンペーパーで着火する紐を作り、アルミホイルで固定します。1時間使用しても油の量はほとんど減らず、火の勢いも衰えませんでした。火は何度でもつけられます。火から離れる際は必ず・絶対消して下さい。 pic.twitter.com/NC58ewpjYy
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) August 29, 2017
02. 食事をとる
▷空き缶コンロ
オール電化の家などでは、コンロが使えず困ることも。そんなときには空き缶が簡単なコンロになる。
1.下から3センチくらいを残して、缶をカットする。
2.カットした缶に食用油を注ぐ
3.アルミホイルに穴をあけ、その穴にひねったティッシュを6本通す
4.3を缶の中に立てて、火をつける
※夕森キャンプ場サイトで紹介されている手順は、写真付きで参考になる。
▷水づけパスタ
災害時には、ガス利用も最小限におさえたいところ。パスタを水に漬けておく方法がおすすめだ。パスタが浸るように水を入れ、2時間ほどつけておくと、麺がくたっとしてくる。漬けて置いた麺は十分柔らかくなっているので1分ほど茹でれば食べられる。市販のパスタソースと絡めて食べよう。
麺を薄切りハム・玉ねぎ、ケチャップなどと一緒に炒めてナポリタン風にしても良い。
▷カップめんを水で調理
カップに水を注ぎ、30分~1時間待つ。状況により麺がもどるまでの時間が変わるので、途中で麺をつついて確認しながら待つのが良いだろう。時間はかかってしまうが、こうすればお湯が使えない状況でも即席めんが食べられる。
▷缶切りがないとき
缶詰はあるのに、缶切りがない、というとき。以下の2つの方法を試してみてはどうだろうか。
災害時、プルトップ型ではない缶詰を道具が何もない状態で開けるには、どうすればいいでしょうか。それには缶詰のふたのフチを、コンクリートやアスファルトにこすりつけて下さい。缶詰のふたは構造上フチの接合部分が削れると取れるようになっています。女性や子供の方でも簡単にできますよ。 pic.twitter.com/n9NLskvunz
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) October 16, 2018
いざという時のために色々と自分で試してみようと思い、インターネットに「缶切りがない時にスプーンで缶詰を開ける方法」というのが紹介されていたので試してみました。やり方は添付画像の通り。何事も実際にやってみないと分かりませんね。今後も色々なことに挑戦していこうと思います。 pic.twitter.com/ibYtqAHsSZ
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) October 10, 2017
03. 少ない水を上手に利用する
▷バケツがないときは……
段ボールや衣装ケースに45リットル以上の大きな袋を2重にしてかぶせれば、簡易的なバケツがわりになる。
▷ペットボトルで節水、簡易水道
一度に使う水を節約したい、というとき。ペットボトルを利用すれば、簡単に節水できる蛇口を作れる。
水は飲料用としてだけでなく、手や物を洗うなど生活用水としても利用されます。災害時にはより貴重なものとなります。その貴重な水を少しでも節約するために、ペットボトルで作る簡易蛇口が紹介されていたので作ってみました。簡単にできて、アウトドアなどでも利用できますので試してみてください。 pic.twitter.com/NvJLnqW07X
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) November 20, 2018
▷炭とペットボトルで簡易浄水器
ペットボトルとティッシュ、小石、細かく砕いた炭があれば、簡易的な浄水器をつくることができる。
▷日光でお湯を沸かす
ペットボトルに水をいれ、黒いビニール袋に包み日向に置いておいたり、日中車内に放置しておいたりする。あるいは、ポリタンクを黒く塗装して、太陽の当たるところに置いておくのも良いだろう。太陽熱で自然に水が温められるので、シャワーなどに利用できる。
04.赤ちゃんの世話をする
▷哺乳瓶がないとき
哺乳瓶がなくても、紙コップを使ってミルクを飲ませてあげることができる。
1.ミルクを紙コップの半分以上入れる。
2.赤ちゃんはちゃんと目が覚めているときに、たて抱っこする。
3.紙コップを赤ちゃんの下唇にあてて、少量ずつ飲ませる。(流し込まないように注意する)
赤ちゃんのペースに合わせて、ゆっくり飲ませてあげるのがポイントだ。
▷ミルクがないときの応急処置
重湯(おかゆの上澄み)、もしくはコップ1杯(約200ml)の湯冷ましに砂糖大さじ1杯を溶かしたものを飲ませてあげると良い。6カ月過ぎの赤ちゃんなら、ごはんやバナナをつぶしてお湯で伸ばしたり、赤ちゃんせんべいをお湯で溶いたものを与えても良い。
05.もっと知りたいときは……
今回、警視庁災害対策課のツイートをいくつか引用したが、警視庁はこれまでにも災害時に役立つ情報をいくつもツイートしている。HPにはベストツイートがまとめられているので、そちらをチェックしてみるのも良いだろう。
また、東京都が作成した「東京防災」という冊子には、救急手当の方法や新聞紙や段ボールを使った簡易ベッドの作り方、緊急時の連絡先などといった災害時に必要な情報がまとめられている。「東京」防災とはうたわれているが、都民でなくても役に立つ情報は多い。気になる方はPDF版をチェックしてみてはどうだろうか。
【参照サイト】警視庁災害対策課ベストツイート集
【参照サイト】東京都防災ホームページ
【参照サイト】空き缶コンロの作り方|夕森キャンプ場
【参照サイト】【小学生夏の自由研究アイデア】太陽熱で「簡単手作り給湯器」|東京ガス
【参照サイト】ペットボトルで泥水が飲み水に!? ~災害時に役立つ簡易浄水法~|水ラボ
【参照サイト】日本新生児成育医学会 災害時の子育て情報
【参照サイト】教えて!ドクター 『子ども・赤ちゃんと防災』