年間8トンのCO2を吸収。ヨーロッパ最大級のグリーンウォールを備えたホテルがロンドンにオープン予定

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近年、大気汚染が深刻となっている地域が世界中で増えている。大気汚染は、何万人もの人々の寿命を短くし、生活の質を低下させる。英国の医療専門機関Royal College of Physiciansによると、ヨーロッパでも特に大気汚染が深刻とされているロンドンでは、年間4万人が大気汚染による喘息や癌、脳卒中や心臓病などの健康問題を抱えているという

そんなロンドンで、ヨーロッパ最大級のグリーンウォールを備えた「Citicape House hotel」の設計が建築会社Sheppard Robsonによって進められている。

グリーンウォール

表面積4万平方フィート(約3万7000平米)の壁に植物が広がるグリーンウォールは、年間約8トンものCO2を吸収するだけではなく、6トンの酸素を生成し、ビル周辺の気温を3〜5度下げると予想されている。さらには、年間500キロものPM2.5およびPM10などの微粒子状物質を吸収する。

382室の部屋とイベントスペース、スパ、スカイバー、そして1階にはレストランが備え付けられた5つ星ホテルとして2024年に完成予定だ。

屋上には公共緑地があり、セント・ポール大聖堂を見渡すことができる。また、絶滅の危機にある約44万種もの地元の野花が咲くためのスペースも設ける。さらに空気熱源ヒートポンプを利用した空調や雨水を貯水してグリーンウォールに使用するサステナブルなシステムも特徴的だ。

グリーンウォール

本プロジェクトは、ロンドンの最上位の地方自治体であるグレーター・ロンドン・オーソリティー(GLA)の「New London Plan(ニューロンドンプラン)」の草案に定められた都市緑化要因(UGF)の政策を採用し、ロンドンの都市緑化をより促進している。市内の建築物のグリーンインフラストラクチャ要素にスコアを割り当てたとき、UGFで義務付けられている商業施設の目標スコアは「0.3」。本プロジェクトはそれを45倍以上超えており、ロンドンの発展に向けての新しい基準となっている。

世界的の人口増加に伴い、住居やオフィスビルなどの建築物の数が増加し、緑の量が減少している都市部。しかし、こうした居住スペースの確保と環境問題への解決策の両方が考慮されたアイデアが増えていくことが、本当の意味で住みやすい都市の開発に繋がるだろう。

【参考サイト】 Sheppard Robson公式サイト

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