地球なくしてスポーツの未来なし。“宇宙ゴミ”から誕生したナイキの新作スニーカー「Space Hippie」

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すぐに摩耗してしまう靴。使い続けると機能自体も低下してしまうため、リユースにも回しにくい。また、靴のリユースに対する消費者の受容度も高くはないため、ファッションの中でもサステナビリティを実現するのが難しい分野といえる。

そんな中、ナイキ社がサーキュラー型の新作スニーカーコレクションを発表した。コレクションの名前は「Space Hippie(スペースヒッピー)」。コンセプトは、NASAの宇宙飛行士が船外遊泳をしている際に、ある“宇宙に浮かぶ素材”を活用することにヒントを得たという。

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同社は、製造工場の床に落ちている廃棄物やくずを「宇宙ごみ」と表現。Space Hippieでは、それらを再生させて靴の原料にすることで、環境負荷を限りなく低くする。

アッパーのニットには、ペットボトルや糸の切れ端、Tシャツを混合させて完全な再生素材として利用し、さらにソールには100%リサイクル素材である「Nike Grind rubber」をクッション全体の15%に採用。ミッドソールのクッションに使用されているのは、ナイキの別ブランドである「ズームヴェイパーフライ4%」の製造過程で発生したスクラップだ。こうして素材調達、製造、廃棄に至るまで全ての工程ができるだけサステナブルになるように配慮された結果、ナイキの製品の中では最もカーボンフットプリントスコアの低い製品となった。

サステナブルな製品だからといって、デザインにも一切妥協がない。灰色を基調とした色合いにオレンジ色のナイキのロゴで、廃棄物から生まれた製品とは思えないモダンなデザインに仕上がっている。ナイキファンにはたまらないコレクションとなりそうである。新たに、靴でもサステナビリティを実現したいと考えている層にもアプローチできるかもしれない。

Space Hippieのラインナップは全4種類。1〜3がメンズ、4がウィメンズ仕様で展開予定だ。いずれも2020年春から夏にかけて販売予定である。

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同社のサステナビリティの取り組みは30年以上にわたる。1997年に東南アジアの委託工場で児童労働や劣悪な環境下での長時間労働などが発覚し、NGOによるバッシングを受けて以来、サプライチェーンの改善やサステナビリティの実現に大きく舵をきった。2019年には気候変動に対する取り組み「Move to Zero」を発表。サプライチェーンの炭素排出量を30%削減し、2050年には所有施設において100%再生可能エネルギーで電力を供給することを目標とした。さらには、生産過程から排出された廃棄物の99%を再利用する目標を掲げるなど、「地球なくしてスポーツの未来なし」という考えのもと、取り組みを加速させている。

アディダス社も2019年の100%リサイクル可能なシューズFUTURECRAFT.LOOPの発表が話題になるなど、ファッションの分野においてもサステナブルな靴の開発や実用化が急速に進んでいる。世界のスポーツ用品メーカーの二大巨頭であるこの2社によるサステナビリティ戦略は、今後も他のファッション分野に影響を与えていくだろう。

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【参考サイト】NIKE公式HP