パネル両面で発電。電気自動車普及に向けてイギリスで建設が進むソーラーファームと充電ステーション

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10年前に比べて、クリーンエネルギー技術は大きく発展し、さらにその効率も遥かによくなった。しかし、その普及を最も阻害している原因は何だろうか?それは、クリーンエネルギーによる発電方法のほぼ全てが天候に左右される不安定な発電方法で、さらに従来の火力発電と比べて発電コストがかかり、結果的に電気代が上がってしまうことだ。この2つの欠点は、クリーンエネルギーの使用をより増加させ、温室効果ガス排出削減に向けて電気自動車を普及するために解決しなくてはいけない大きな問題となっている。

この問題を解決するために、イギリスでは現在、政府主導で上記の欠点を最大限カバーする大規模なソーラー発電場と、超高速EV(電気自動車)充電ステーションのネットワークが建設されている。手掛けているのは、持続可能なエネルギービジネスに取り組む企業、GRIDSERVEだ。

この発電場のソーラーパネルの設計は合理的だ。大規模な農地に約9万個設置されたソーラーパネルには上部と下部があり、さらに表裏両面ともにパネルが貼られている。これは太陽光エネルギーを最大限利用するための工夫で、下部のパネルは太陽の反射光からも発電できるようにデザインされている。パネルは長いポールの上に設置されており、 トラッキングシステムによって日の出から日暮れまで、まるでひまわりのように太陽を追いかけながらその向きを変えることができる。このパネルのデザインでエネルギー効率を上昇させ、電力の供給価格を最大限下げることを狙う。また、環境や生態系への影響も最大限配慮しながら建設・運営していることも素晴らしい点だ。

発電した電力はすぐ隣にある巨大なバッテリーに蓄電される。バッテリー1つにつき約30MWhの電気を充電可能で、およそ15,000戸もの住居の電力消費をまかなうことができる。

この大規模ソーラー発電場によって、二酸化炭素排出量ゼロの電力を年間40Gwh、EV(電気自動車)にして約20,000台が充電可能な電力がEV充電ステーションにて供給可能になる。このEV充電ステーションは今年の夏にオープン予定だ。また、CRIDSERVE公式サイトでは建造中のソーラー発電場の様子や、充電ステーションのイメージ映像も見ることができる。

イギリスは先月、2035年までに自国内で電気自動車以外の新車を販売禁止にすると発表したが、たとえ今後電気自動車が普及したとしても、使用する電気がクリーンでなければ本末転倒であることは明白だ。今回の大規模ソーラー発電施設とステーションの建造はその布石と言えるだろう。政府主導の力強いエネルギー革新プロジェクトは今後も継続予定となっており、引き続き英国の環境対策への動向に注目だ。

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【参照サイト】GRIDSERVE公式サイト