新型コロナで相次ぐ外出禁止。食品や薬は?アメリカではスプレッドシートで助け合いを促進

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新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)が世界的に蔓延する今、学校や大型イベントなどの休止、国によっては外出禁止などが呼びかけられている。病気の蔓延を防ぐために取られている策ではあるのだが、外出ができなくとなると、生活に必要な食品や薬、日用雑貨の調達が難しくなることも。また、在宅勤務が難しい人は仕事に行けなくなり、生活に行き詰まるケースも出てきている。

とはいえ、政府も緊急事態への対応に追われ、こうした困りごとになかなか手がまわらない。そんな中アメリカでは、「こんな時こそ地域に根差した助け合いの出番。私たちにはお役所的なややこしい手続きはないからね!」とサクッと「助け合いツール」をつくってしまった人がいる。

カリフォルニア州バークレーに住むライターであり、地域のまとめ役でもあるエリカ・エテルソンさん。次々とお店が閉まる中で、食品や薬を買えない人たちのことが心配になり、今のところ重症化のリスクが低い年齢で、スケジュールも比較的柔軟に調整できる自分のような人が動く方法はないかと考えた。そこで、助けが必要な人の一覧や新型コロナ対策に役立つ情報をグーグルのスプレッドシートでまとめ、地域の人たちと共有したところ、これがシカゴやニューヨーク、ワシントンといった米国の主要都市のみならず、イギリスやカナダ、ドイツにまで広がりはじめたのだ。

内容を見てみると、支援を求める人の入力フォーム、近所の人にお手伝いを呼びかけるための手紙のテンプレート、移民の人たち向けに多言語で訳された新型コロナの説明などさまざまな情報が地域別、内容ごとに集積され、多様な人々の参加により日々、いや時々刻々と更新されている。

たとえば、3月19日に65歳以上の人の不要な外出の禁止を発表したカリフォルニア州では、金銭支援を求める人の「まとめシート」まである。内容をみると、名前やEメールに加え、いくら必要で、日頃の職業は何か、どうして支援が必要なのかといった詳細な情報が書かれている。仕事先が急に閉鎖になり、収入を失って困っているパートタイマー、学生、フリーランサー、障害者の方などの悲痛な声が聞こえてくるようだ。

Covid-19 Financial Solidarity(金銭的な支援を求める人のためのシート)

使いこなせれば便利な機能だが、決して完璧ではない。情報が見やすいわけではなく、使い方がわからずにデータを消してしまったりする人もいる。特に高齢者の場合は使うことも難しい。Fast companyの取材に対し、「これは時間との戦いです。だから完璧でなくても何かつくる必要があると思ったんです」とエテルソンさん。専門家はここ数週間で感染比率のカーブを平坦化する必要があると指摘しており、1~2週間かけて専門のウェブサイトをつくっている時間はない。とにかくすぐに使えるツールが必要なのだ。

エテルソンさんは、助けが必要なときは、遠慮なく助けを求めることが大事だと考える。何かしたいと思っている人は何千人といるのだから。一見無味乾燥なスプレッドシートだが、次々と更新されていく情報を見ていると支援をしようとしている人たちの熱い想いが伝わってくる。世界的に深刻な状況ではあるが、こうした人々のつながりによって困難を乗り切り、「助け合い」の気持ちや仕組みが置き土産として残ることを期待したい。

【参照サイト】Collective Care Is Our Best Weapon against COVID-19
【参照サイト】Collective Care Is Our Best Weapon against COVID-19

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