スターバックス、サーキュラーエコノミー型店舗を上海にオープン

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日本にも1,600店舗以上あるお馴染みのカフェ、スターバックス。

同社の「Environmental Baseline Report(環境ベースラインレポート)」によると、2018年度にはスターバックスのバリューチェーン全体で1,600万トンのCO2を排出し、10億立方メートルの水を消費し、868キロトンの廃棄物を出したという。(※1)同社は環境負荷を減らすため、2030年までにCO2排出量、水使用量、廃棄物量を50%削減するという目標を立て、様々な取り組みを行っている。

この目標達成に向けた取り組みの一環として、同社は2021年9月、アメリカとカナダ以外では初となる「Greener Store」を上海にオープンすると発表した。Greener Storesは、スターバックスが2018年にWWF(世界自然保護基金)と協力して立ち上げた枠組みで、環境に優しい店舗を設計、建築、運営することを目的としている。すでにアメリカとカナダでは2,300店舗以上のGreener Storesが誕生しており、同社は2025年までにこの数を、全世界で10,000店舗にまで増やそうとしている。(※2)

上海スタバ

Image via Starbucks

スターバックスは今後1年ほどの間に、日本、イギリス、チリにもGreener Storesをオープンするとしており、期待感が高まる。一足先にオープンする上海店では、どのような環境に優しい取り組みが行われるのだろうか。

同店の要となるのが、サーキュラーエコノミーの実践だ。店舗の内装に使っている材料の半分はリサイクルされており、店内の設備は他の場所で再利用することを想定し、解体できるようにデザインされている。バリスタは再生プラスチックでできたエプロンを着用し、店内の一部のスペースでは、サーキュラーデザインを実践する地元のデザイナーの製品を紹介する。また、店舗で発生したコーヒーかすは、すべてリサイクルまたは堆肥化されるという。

Starbucks

Image via Starbucks

一利用者として特に目に付きやすいのが、同店に紙カップがないことかもしれない。(※3)飲み物はすべて、繰り返し使えるリユーザブルカップで提供されるという。スターバックスは使い捨てプラスチックの削減を目指し、紙カップの導入を進めてきたが、その紙カップも使わないとは、また一歩踏み込んだ対策だ。また、同店は紙のレシートの代わりに電子レシートを導入し、メニューなど紙製のアイテムもデジタル化するという。

上海店はさらに、アメリカとカナダのGreener Storesで推進されている、再生可能エネルギーの導入、エネルギー消費量の削減、水使用量の削減にも取り組む。両国ではすでに、エネルギー消費量を30%削減、年間水使用量を30%以上削減しているそうだ。上海店は、Greener Storesという同じ枠組みを活用しつつ、サーキュラーデザインについてはより一層踏み込んだアプローチをとるという。

持続可能な未来に向けて、一歩ずつ歩みを進めるスターバックス。上海店を含め、Greener Storesの今後の展開が楽しみだ。

(※1) PRESENTATION TITLE CONTINUES (starbucks.com)
(※2) 2020年レポート「Planet(地球環境)」 – Starbucks Stories Japan
(※3) スターバックスが11月からFSC認証紙カップを導入。プラスチック大幅削減へ

【参照サイト】 Starbucks Greener Stores accelerate global movement towards a more sustainable future

Edited by Erika Tomiyama

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