デジタル=エコ、ではない。英メディアがサイト運営のCO2排出量を大幅削減へ

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スマホやPCを使う際に、その環境負荷について考えたことはあるだろうか。デジタル上の活動は、その環境への影響が一見わかりづらく、紙を使わないことや、リモートワークが可能で通勤時のCO2排出に加担しないという点から「エコ」だと思われがちだが、実は必ずしもそうではない。

さまざまな企業でリモートワークが急増した新型コロナ流行の前でさえ、世界のインターネットの電力消費量はイギリスやドイツの国内電力消費量と同じくらいだった。情報通信技術(ICT)は、世界の電力消費量の6〜10%、温室効果ガス排出量にすると4%を占めており、この数字は毎年5〜7%ずつ増加している(※1)。GAFAM(Google・Apple・Facebook・Amazon・Microsoft)に代表されるIT企業のビッグ・データは、21世紀の石油と言われ、多くの富と同時に、環境負荷を生んでいるのだ。

そんな中、イギリスの建築・デザイン情報メディア「Dezeen」は、ウェブサイト運営の大幅なCO2削減に取り組んでいる。排出量を追跡しパフォーマンスを改善できるサービスEcopingを使用し、コードの変更や、画像形式の変更によってサイトの読み込み速度を改善することで、電力消費を抑えているのだ。

Dezeenサイト

Image via Dezeen

Dezeenのウェブサイトでは、実施されてから2週間で、1ページあたりのCO2排出量が21グラムから7.18グラムとなったと発表されている。65.8%の減少効果だ。Dezeenのサイト自体のスピードも速くなり、平均読み込み時間が58.3%短縮されて3.5秒になるなどの効果が出た。

私たちが使用している携帯やPCといったコンパクトなデバイスは、見えないインターネットの向こうで、大量に熱を発生させる巨大なデータセンターにつながっている。それらは冷却コストを抑えるために寒冷な地域に設置される傾向にあり、その排熱が街の暖房にも使われているほどだ。

グリーンエネルギーの技術は進歩しているものの、電力需要をすべてまかなえる状況からは、まだ程遠い。インターネットを見る側も、PCの前にいないのに負荷のかかる動画を流しっぱなしにするといったことは、電力の浪費にほかならず、環境的にも経済的にも負担が増加してしまう。

ウェブサイトを作る人は、ユーザーエクスペリエンスを向上させるためのサイト速度や軽量化に加え、今後は環境負荷を軽減させるための電力消費を抑える、という視点も持ち合わせていることが大切だ。国際的な建築・デザインアワードも開催しているDezeenのようなサイトがデジタル上の環境負荷削減に率先して取り組むことは、他のサイトやメディアへの確かなインスピレーションとなるだろう。

※1 How to stop data centres from gobbling up the world’s electricity

【参照サイト】Ecoping
【参照サイト】Dezeen makes “massive” reduction to its website carbon emissions
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Edited by Kimika

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