花の都で「ケーブルカー通勤」を。パリジャンのためのCO2フリーな交通手段

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毎朝の憂鬱な通勤を、楽しく。花の都パリでは、バスや電車、地下鉄だけでなく、トラムや水上タクシーなど、さまざまな交通手段での通勤がされてきた。そんなパリで、新たに「ケーブルカーによる通勤」を実現するための計画が進んでいる。地上や水上ではなく、空を使った驚きの通勤方法だ。

「Câble1(C1)」と呼ばれるこの新たな計画は、パリの南東にあるクレテイユとヴィルヌーヴ=サン=ジョルジュなどの地域、4.5キロメートルほどの距離を、ケーブルカーでつなぐもの。現地のパリジャン紙によると、2022年3月に着工し、2025年にはお目見えする計画だという。

都市部においては、住民の快適な通勤を目指そうと思っても、高速道路や鉄道などにより既に土地がなくなっているため、地上での新たな交通オプションを追加することは難しい。そこで、街の起伏を利用でき、地上の障害物に関係なく運航できるケーブルカーが採用されたのだ。

全部で5つの駅があり、すべてを約17分でまわることができるため、バスなど地上の交通手段よりも速いとして注目されている。

また、CO2排出フリーであることも今回の「ケーブルカー通勤」の特徴だ。自家用車やバスと比べると排気ガスが出ない分、大気汚染を防ぐことなどには寄与しているといえる。一方で、ケーブルカー製造過程でのCO2排出や、電力の供給源については明記されていないため、完璧な代替手段といえるかは未だ不明である。

実は、フランスがケーブルカーを移動手段として考えたのは今回が初めてではない。2016年には、西部の港町ブレストで長さ460メートルのケーブルカーが開発された。今回の計画はその経験を踏まえ、さらに範囲を拡張したものである。

パリジャンの通勤に彩を加えるケーブルカー。2025年の運行が楽しみだ。

【参照サイト】Val-de-Marne : rebaptisé Câble 1, le premier téléphérique urbain d’Île-de-France dans les airs en 2025

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