「多くの若者が、服を買うときに古着から探している」と聞いたら、驚くだろうか。
古着売買のオンラインショップを運営する、米企業thredUPの2022年の報告によると、Z世代とミレニアル世代の62%が「新品を購入する前に中古品を探す」と回答している(※1)。
また、短編動画投稿アプリのTikTokでは、「upcycled fashion(アップサイクルファッション)」というハッシュタグの付いた動画が6億回以上再生されており、古着に対する注目度の高さがうかがえる。
ただ、好きなデザインの古着を見つけても、サイズが合わないことがあるのではないだろうか。そんなときに使ってみたいのが、「服を直したい人」と「服のお直しができる地元の仕立て屋」をマッチングしてくれる、「Sojo」というアプリだ。2022年6月現在は、ロンドンだけで使える。
ユーザーがアプリで利用したいお直しサービスなどを選択して注文すれば、自転車に乗った配達員が服を取りに来る。そして約3~5日後に、お直しされた服を届けてくれる仕組みだ。
すべて自転車で運ぶため環境に優しく、地元のお直しサービスの新たな需要を生み出すきっかけにもなっている。
「採寸をしていないのに、どうやって自分の体に合うように直すのか」と疑問に思う人がいるかもしれない。配達員が服を取りに来たとき、サイズの合う服を一緒に渡せば、仕立て屋がそれを見ながら直してくれるそうだ。もしくは、自分で服にピン打ちをするという方法もある。
Sojoがターゲットにしているユーザーは、22~28歳前後の人たちだという。若い層の古着やモノを長く使うことへの関心は高まっていても、裾上げをしたり、ウエストを調整したり、パンツ全体を細くしたりする作業には、馴染みがない人が多いかもしれない。Sojoはそんな、満たされない需要の隙間を埋めるサービスではないだろうか。
Sojoは、ゆくゆくは仕立て屋だけでなく、お直しのスキルを持つフリーランサーとマッチングすることも視野に入れている。裁縫が得意なお年寄りと、 Z世代やミレニアル世代をマッチングできたら、世代間交流の機会が増えそうだ。
古着でも、サイズやデザインを妥協することなく着こなせたら、サステナブルファッションの裾野が広がるのではないだろうか。
※1 2022 Fashion Resale Market and Trend Report | thredUP
【参照サイト】Sojo – alterations and repairs made easy
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