頑丈な消防ホースをリサイクル。ロンドンのファッションブランド「Elvis & Kresse」

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近年、様々なファッションブランドが、プラスチックなどのリサイクル素材を用いたファッショングッズを展開している。これまでIDEAS FOR GOODでは、靴底から紐までリサイクルできる素材を使ったアディダスのスニーカーや、パイナップルの葉やオレンジの皮でできたH&Mの春コレクションを取り上げてきた。

一方で、エコやサステナブル・ファッションに関心の高い消費者の想像も越える、さらにユニークな素材を再利用したブランドがイギリスにあるのをご存知だろうか。ファッションブランド「エルヴィス&クレッセ(Elvis & Kresse)」は、2005年の創業以来、不要になった消防ホースをリサイクルし、ラグジュアリーなカバンやベルトなどのファッショングッズとして蘇らせてきた。

きっかけは、15年前にエルヴィス&クレッセ創業者であるジェームス・ヘンリット氏とクレッセ・ウェズリング氏がロンドンの消防団を訪問したことだった。消防団の消防ホースは、25年間の消化活動の役目を終えると、埋立地に廃棄されてしまう。その量は毎年約3トン以上だという。また、頑丈であるがゆえに、埋立地に埋められても何十年と物質分解されずに残ってしまい、廃棄物として市の課題となっていた。

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We didn’t ever want to rescue some of London’s fire-hose — we wanted to rescue them ALL 🔥 It took us five years to grow to the size where we could solve London’s fire-hose waste problems, but by 2010 we were doing it, and have continued to do so every year ♻️ • • • #rescued #reclaimed #recycled #transformed #profitstocharity #profitsdonated #upcycledfirehose #firehose #circulareconomy #circularfashion #closedloop #closingtheloop #closetheloop #impactoverprofit #missiondriven #sustainable #ethical #zerowaste #reduce #reuse #recycle #reducereuserecycle #reducereuse #londonfirebrigade #lovenotlandfill #solvingproblems #dogood #bebetter #madeethically #elvisandkresse

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25年間の消化活動を支え、人命を救ってきたヒーローである消防ホースを、人々の頭を悩ます廃棄物として埋めてしまうのではなく、そのストーリーと共に新しい形に生まれ変わらせたい。そんな想いから、エルヴィス&クレッセは始まった。

エルヴィス&クレッセは、不要になった消防ホース約175トン分をリサイクル素材として再利用し、廃棄物削減に貢献している。同社のファッショングッズは、職人の手作業で丁寧に作られており、頑丈な消防ホースの特徴を活かすことで、ユニークで機能的な、非常に長持ちするラグジュアリーグッズとして生まれ変わった。

また、2017年にエルヴィス&クレッセはイギリスのバーバリー社とパートナーシップを締結した。今後5年間にバーバリー社の製造過程で発生するレザーの切れ端120トンを用いて、新しいファッショングッズを作り始めたのだ。消防ホースとバーバリーのレザーという特徴的な組み合わせは、「ファイヤー&ハイド(Fire & Hide)」というコレクションとして展開されている。60米ドル(約6,500円)のカードホルダーから430米ドル(約43,000円)のブリーフケースまで、幅広い商品ラインナップだ。

リサイクルレザー以外にも、パラシュート生地をリサイクルしたカバンや財布もある。さらに、コーヒーサックや靴の空き箱などの廃材をエルヴィス&クレッセの梱包として再利用するなど、様々な素材を活用することで廃棄物削減の可能性を追求している。

同社のカバンは300〜400米ドル(約30,000円〜40,000円)前後と決してお手頃価格ではないが、ウォータープルーフで頑丈のため、中に入っているものを雨風から守り、非常に長持ちすることで高い評価を得ている。価格設定の理由は、消防ホースなどの材料費は抑えながら、品質を支える職人に十分な賃金を払うためだという。また、利益の50%は「ファイヤー・ファイターズ・チャリティ」を始めとする様々な団体に寄付されている。ブランドを支える職人や社会に還元する仕組みを、ブランドとして築いているのだ。

素材の機能を改めて見直し、廃棄される前のモノが持つストーリーを尊重することで、新たなリサイクルの可能性に繋がる。今後の取り組みに注目だ。

【関連サイト】エルヴィス&クレッセ
【関連サイト】バーバリーが余剰在庫の焼却処分を中止(繊研新聞電子版)