植物が人になり、人が昆虫になる。壮絶な「200年後」を体験できる米ポートランドの美術館

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人と自然が共生する世界とは、どのようなものだろうか。森林や農地を適切に管理したり、絶滅の危機にある動物を保護したりする様子を、思い浮かべる人が多いかもしれない。

2022年11月から2023年2月にかけて、アメリカ・ポートランド美術館で開催されている「Symbiosis(共生)」という展覧会では、人と自然のユニークな共生のあり方を示している。

VR技術を使ったインスタレーションで、来館者は人と動物と植物が合体した、200年後の世界を体感できるのだ。

Image via Portland Art Museum

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VR体験では、カエルと人が合体した生物や、蝶と蘭の花と人が合体した生物などになることができる。地球温暖化が進んだ世界で、人と他の生物が一体となって、環境問題に立ち向かう様子が表現されている。

私たちは今、人の体という入れ物に入って世界を見ている。その入れ物が変わったら、環境問題の捉え方も変わるだろうか。VR体験を通して、自分が人間中心的なものの見方をしていることに気づくかもしれない。

没入型インスタレーションは、オランダに拠点を置くデザイン集団のPolymorfが制作した。来館者は宇宙服のような衣装を着て、浮袋のようなものを身に付け、何本もの管につながれて、五感を使った体験を楽しむ。たとえば、VRヘッドセットに香りを出す機能が付いていたり、ベジタリアンのお菓子を食べたりできる。

インスタレーションの世界観は、科学技術、フェミニズム、人類学などの分野を横断的に研究してきた、アメリカのダナ・ハラウェイ氏の影響を受けて作られている。同氏は、Symbiosis(共生)の先を行く、Sympoiesis(共制作)という概念の重要性を説いている。人類が生存し続けるには、自然と「共に生きる」だけでなく、「共に作る」という心構えを持つことが大切だという。

人が他の生物と合体する、SF小説のような発想が、環境問題の改善につながるとしたら興味深い。人と自然の理想的な関わり方とは、どのようなものだろうか。

【参照サイト】Symbiosis – Portland Art Museum
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