進行する気候変動、複雑に絡みあう社会課題……私たちの周りには、解決しなければならない課題で溢れている。こうした課題を解決するのは、新しいテクノロジーやプロダクト、またはこれまでとは全く異なる社会システムだろうか。答えはひとつではないが、確実なのはそうした変化を起こせる「イノベーター人材」が今社会に必要とされているということだ。
一般社団法人Green Innovationによる「Green Innovator Academy」は、自らが社会の「変化」になり、2030年までに脱炭素社会の実現を牽引する次世代のイノベーターを1,000人輩出することを目指す実践型プログラムだ。2024年に開催する第四期に向けて、6月18日(火)まで国内外の学生80名を募集する。
プログラムでは、カーボンニュートラルを取り巻く国内外における最先端の知識やグリーントランスフォーメーションの知⾒を身につけるとともに、さまざまな地域へのフィールドワーク、最前線で活躍する産官学各界のリーダーたちとの対話などを通じ、世代・分野を超えてイノベーションを起こすために必要な共創型価値創出の手法を約半年間かけて学ぶ。さらに、最終的なアウトプットとして、実際の企業や省庁への新規事業立案や政策立案を行う。
アドバイザーや講師として参画するのは、産官学民から集う多様なリーダーたちだ。産業セクターからは脱炭素に向けて転換を迫られると同時に技術面で大きなカギを握る大企業から、国内で新しい循環経済のシステムを構築するスタートアップまで、パブリックセクターからは経済産業省、環境省、文部科学省が後援するほか、現役で活躍する若手官僚などが参加。アカデミックセクターからは脱炭素の推進に欠かせないカーボンクレジット等の研究者、そのほか自治体でのゼロ・ウェイストに伴走した経験を持つ活動家など、まさに世代縦断・分野横断の対話を生み出す格好の機会となっている。
これまでに行われた第1期〜3期には、国内外より選抜された学生、および企業・官公庁や自治体の職員など若手社会人300名以上が参加してきた。第四期となる2024年度は、より実践的なアウトプットを目指し、プログラム内容をさらに充実させて開催予定だ。
第四期で実施予定の最終アウトプットの一例
- 環境省に向けた環境配慮型社会の基盤となる政策提言
- 神奈川県葉山町に向けた環境配慮型の町づくりに向けた政策提言
- 世界遺産・北海道知床(斜里町)における脱炭素政策提言
- アルミニウム第かすとメーカー「広島アルミニウム工業」への新規事業立案
「何か新しいものを作ったり既存の仕組みを変えたりすることは、ものすごく労力がかかり、難しいものです。だからこそ、さまざな分野の最前線で活躍する人たちとみなさんをつなげて、スキル・知識・経験を身につけて成長していってもらいたいと思っています。また、これまで参加してきたメンバーのコミュニティで、今まさに新しい取り組みが生まれています。そこに加わり、社会を一歩ずつ変える動きを作っていきましょう」(第四期 第一回オンライン説明会より 実行委員 坂野晶さんコメント)
IDEAS FOR GOOD編集部は、第一期に行われた福島でのフィールドワークに同行した。原子力発電所や帰還困難区域などの見学を経て行われた脱炭素や日本のエネルギー問題における議論は、問題の複雑性を実感したからこその多面的なものとなっており、参加者の間に自己内省や、さらに視座の高い問いを生み出していた。
Z世代と考える、原子力発電と日本のエネルギー問題【Green Innovator Academy 福島原発フィールドワークレポート】
どんなに社会を変えたいという熱い想いを持っていても、それを一人で維持し、社会変革に十分な大きさに育てていくのは、そう簡単なことではない。また想いはあっても、アクションの前提となる課題や問いが大局を捉えたものでなければ、またそれがひとつの分野にとどまるものである限りは、社会を変革する大きな渦を巻き起こすことはできない。
Green Innovator Academyは、そんなイノベーション創出の難しさと面白さを肌で感じるとともに、社会の変革に向けて共に戦い励ましあえる仲間に出会う絶好の機会だ。
未来を変革したいと少しでも感じている人、新しい取り組みに挑戦したい人は、ぜひ応募を検討してみてはいかがだろうか。6月15日(水)には、応募に関心はあるが疑問や不安があるという人に向けて、オンライン個別相談会も開催される。こちらにも、気軽に参加してみて欲しい。
プログラム概要
- 募集人数:80名
- 実施期間:2024年8月3日〜12月22日
- 参加費:30,000円
応募資格
- 2025年3月時点で現役大学生・大学院生であること
- 原則全プログラムに参加可能であること
- 未来を自ら作り出す意志、好奇心と成長意欲を持ち、社会にインパクトを与えるイノベーションを起こしたいという意欲があること
応募締切
プレエントリー:2024年6月4日(火) ※ 募集を締め切りました
最終締切:2024年6月18日(火)
応募方法
こちらのフォームよりお申し込みください。
【参照サイト】Green Innovator Academy(公式サイト)
【関連動画】Z世代が訪れる福島第一原発と帰還困難区域のイマ。彼らが描く未来とは?