「子どもが本を読まない」という嘆きが、教育現場や家庭から聞こえて久しい。デジタルデバイスの普及により、動画やゲームが身近になった現代において、読書習慣を身につけることが難しくなっている。
しかし今、ある公立小学校でその定説を覆すような変化が起きている。AI司書による選書アプリ「ヨンデミー」の力を借りて、子どもたちが読書を楽しんでいるのだ。
愛知県豊橋市立津田小学校では、2025年6月より実証実験としてヨンデミーを導入したところ、導入からわずか1ヶ月で、児童一人あたりの読書量は全国平均の約2倍に到達。学校図書館の貸出冊数も前年比2.4倍に増加した。さらに、家庭でほとんど本を読んでいなかった児童の41%が、全国平均以上の読書量を達成できたのだ。
この成功を受けて、同市内の豊小学校でもヨンデミーの導入が決定。2025年9月から先行的に3年生の1クラスで導入し、11月より順次全校導入に広げていく予定だ。
先行導入クラスでは、導入から約1ヶ月の間、教員からの義務付けがなかった中でも63%の児童が毎週欠かさず自主的にアプリを利用。30日間で投稿された感想記録は742件に上り、児童一人あたり月平均27冊相当の本に触れている計算になる。11月からの全校導入に向けて、良い兆しが見えているだろう。
今回導入されたアプリ・ヨンデミーの特徴は、AI司書が子どもたちの読書レベルに合わせて選書し、ゲーム感覚で読書の継続を支えてくれること。元々は読書習慣を身につけるためのオンライン習い事として利用されていたサービスが、学校でも効果を発揮することが分かったのだ。豊小学校で全校向けに導入されるにあたっては、おすすめ本の図書館内での在架場所がアイコンで表示されるなど、より学校内での利用に特化した機能が備わった。

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「アプリで選書するならば、デジタルの本でも良いのでは」と思うかもしれない。しかし、アプリ上で本を知りそのまま読めてしまったら、子どもたちはずっとデジタル世界にこもることを強いられる。図書館に行くという行動を通して、誰かと話したり、興味を引く本に偶然出会ったりする余白が生まれることも、豊かな読書体験の一つではないだろうか。
世界の教育現場でも読書への回帰に注目が高まる。アメリカ・ケンタッキー州の学校ではスマホの校内利用を禁止したことで本の貸し出し冊数が3倍になり、話題を呼んだ。
一方ヨンデミーは、AIによるパーソナライズされた選書と、ゲーム感覚での楽しさで子どもたちが本を手に取りたくなる仕掛けとして機能した。どちらのアプローチも、スクリーンから離れた時間の過ごし方を再評価し、子どもたちがデジタルテクノロジーの自律的な使い方を身をもって学ぶ機会として示唆のある取り組みだ。
【参照サイト】ヨンデミー、豊橋市立津田小学校で子どもの読書量が全国平均の2倍超えに|PR TIMES
【参照サイト】「ヨンデミー」、愛知県豊橋市立豊小学校で全校実証実験を本格開始|PR TIMES
【参照サイト】ヨンデミー






