ビジネスの場に欠かせない大切な名刺。あなたは名刺を1年間で何枚手渡し、何枚貰っているだろうか。世界中では、1年間に何枚の名刺が交換されているのだろう。そして、世界中の名刺を作るのに、一体何本の木がいるのだろうか。
アメリカのデザイン印刷会社MOOは、新しいエコ名刺を提案する。MOOは2017年夏、服飾産業のごみであるTシャツの余り生地から作る名刺を発表した。これは、MOOと長期パートナーであるMohawk Fine Papersが、何千年も昔の製紙方法からインスピレーションを受けて開発したものだ。
何世紀もの間、衣服のぼろ生地は紙の主原料だった。しかし、1世紀ほど前から木材パルプがそれに取って代わるようになった。コットンペーパーは丈夫で強い反面コストが高いため、近年では法律関係文書や芸術などに使われているのみである。
この現状に対してMOOが提案するのが、世界中で愛されている白いTシャツから作るエコで贅沢な紙だ。衣服のぼろ生地からコットンペーパーを作るという過去に戻るのだ。このコットンペーパーは、Tシャツを工場でパターンに従って切っていく際にどうしても出てしまう余りの生地を原材料として使用する。通常であれば捨てられてしまう生地を利用することで、服飾産業のゴミを減らしつつ新しい紙を作るという、一石二鳥のアイデアなのだ。
こうしてできたコットンペーパーは独特の手触りがあり、軽くて強く、柔軟性があり、公文書にも使用できる。また、自然の明るい白色で鮮明ですっきりした写真が印刷できるのも特徴だ。
MOOの社長Richard Moross氏はこう語る。「我々は、常に伝統を再イメージしている。ぼろ生地から紙を作るという昔の技術と、思考と現代テクノロジーを組合わせたのがこのコットンペーパーだ。我々は、原料と最新技術を大切にし、お客様のために”ちょっと違うもの”を作っていきたい。」
人類の昔からの技術と現代テクノロジー、そしてMOOのアイデアと情熱が詰まった、Tシャツの余り生地から作るエコ名刺。MOOのモットーは、”Save Trees. Rescuing Tees(Tシャツ)”だ。誰しもが1枚は持っているTシャツの世界中の余り生地を合わせれば、沢山の木を救えるだろう。あなたもこのMOOの名刺、使ってみてはいかがだろうか。