2018年2月、アメリカでまた銃乱射事件が起きた。高校に乱入して大量の学生を殺す殺人者。事件の被害者だけでなく、全世界に対して深く悲しい傷跡を残した。
The Washington Postによると、1999年にコロンバイン高校銃乱射事件が起こって以来、少なくとも170校、150,000人以上の学生が銃乱射事件を経験してきている。この数の多さを見れば、政治家が銃規制について延々と議論するのを悠長に待ってもいられない。その恐怖から身を守るために、学生は自ら行動を起こしている。
アメリカ、ウィスコンシン州の高校に通うJustin Rivardという学生は、教室のドアの下に滑り込ませて内側から掛け金をかける金属製の装置The JustinKase を製作した。この重厚な装置を使えば通常のドアロックよりも強力なストッパーになり、乱入者はそう簡単に教室に押し入ることはできない。なにせ高校のフットボールチームに所属するラインマンでも開けられなかったぐらいだ。ドアに体当たりする音はただの雑音でしかない。
Justin Kaseはあまりの性能の良さから、同校の校長が各教室用に50個も買い付けたほどだ。中学校や小学校、近隣の学区からの注文も来ているという。これほどまでに需要があるのは、冒頭で述べた同国の学校で次々と起こった銃乱射事件の歴史が関係している。
同じように考える人は他にもいる。例えば、ワシントン州の高校に通う学生はドア上部に取り付けて教室への侵入を防ぐ、金属製の装置を製作した。アイオワ州の中学校に勤める教師も同じくドア上部に取り付ける装置を作ったという。進入口を塞ぐことの効果は大きい。ドアがなかなか開かなければ乱入者は諦めそうだし時間稼ぎにもなる。銃社会に生きる学生たちは先手を打ち始めている。
【参照サイト】JustinKase