#2 イベントレポ『サステナブル観光立国ドイツの最新事例に学ぶ、新しい旅のカタチとは?』

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「きっと旅に出たくなる、ドイツのサステナブルなお話」聞き逃した方はいらっしゃいますか?

8月29日(水)、IDEAS FOR GOOD主催のイベント『サステナブル観光立国ドイツの最新事例に学ぶ、新しい旅のカタチとは?~今注目の「BIO HOTEL」をはじめ、ドイツ発の素敵なアイデアをお届け~』が無事終了しました!

当日はドイツに精通した2人のゲストをお呼びして、誰もが愛する旅をもっとサステナブル(=持続可能)にするアイデアについてお話いただきました。40名を超える方にお越しいただき、編集部一同感謝しております。当日の様子を簡単にレポートしていきましょう!

第一部:ドイツ現地ガイドとBIO HOTELのお話

今回登壇していただいたのは、IDEAS FOR GOODのライターでありドイツ・ハイデルベルク市公認ガイドのクリューガー量子さん、そしてドイツ・オーストリア発祥のホテルに関するサステナブル認証「BIO HOTEL(ビオホテル)」の日本版となる「BIO HOTELS JAPAN(ビオホテルジャパン)」代表の中石和良さんです。

01. 現地ガイドが見る、ドイツのサステナブルな取組み

クリューガー量子さん

クリューガーさんは、2003年からドイツ在住。ドイツの空港からハイデルベルクの街の中、お城、食べ物、交通機関に至るまで、まるで一緒に旅をするようにドイツの事例を紹介していただきました。

ドイツに降り立った日本人がまず驚くことは、買い物をしてもビニール袋がもらえないことや、ペットボトルがデポジット制であることだそう。街のお店を訪ねると、当たり前のようにBIO(オーガニック)製品が売られており、人々が公共交通機関を使いやすいよう電車の早割やバリアフリーのシステムがあるなど、環境にやさしいさまざまな工夫がされています。

ハイデルベルク市

ドイツの環境・持続可能都市として、これまで数度受賞しているハイデルベルク市では、ドイツの省エネルギー住宅であるパッシブハウスが盛んです。他にも水門を活用した水力発電所など自然エネルギーを活用していたり、コウモリの住処の保護のためにハイデルベルク城でのクリスマスマーケットを中止したりしています。

人々の楽しみよりも自然動物の保護を優先する、という取り決めについては現地の住民も賛成していたようで、人々の環境への意識の高さがうかがえます。

ドイツのサステナビリティについて、クリューガーさんは「昔から伝わる知恵、現代のテクノロジー、自然との調和の3つの要素がうまく融合している」と語ります。実際にドイツを訪れてみたくなりますね!

02. ドイツ・オーストリアの宿泊施設が仕掛けるサステナビリティ

中石和良さん

ビオホテルは、ドイツ・オーストリア発祥のホテルグループ。環境や宿泊ゲストの健康などに意識を向ける志の高いホテル・生産団体が集まり、世界で唯一ホテルへの厳格なBIO基準を設けています。

そのアイデアを日本でもっと広げよう、とBIO HOTELS JAPANを立ち上げたのが中石さんでした。日本にある宿泊施設のBIO認定だけでなく、さまざまな企業とコラボレーションをした製品・サービスを通して日本に「サステナビリティ」という考えを広める活動をしています。

2018年6月には、本場オーストリアのビオホテルに滞在し、近隣地域のサステナブルな取り組みを視察するツアーも企画しました。食事はもちろん、ホテルのベッドリネンやアメニティもオーガニック素材にこだわっており、再生可能エネルギーも積極的に活用しているホテルを実際に体験するという素敵なツアーです。

ビオホテルの取り組みについては、IDEAS FOR GOODでも単独取材をしています。ぜひ記事もあわせてご覧ください。

ホテルをサステナビリティ体験の場に。欧州で広がる「BIO HOTEL」が日本に上陸して気付くこと

第二部:パネルトーク

イベント後半は、クリューガー量子さん、中石和良さん、そしてBIO HOTELS JAPAN共同創立者の中石真由子さんに登壇いただき、会場からの質問も取り入れたパネルトークを行いました。

中石和良さんとクリューガーさん

ドイツ国内でビオ製品が多く売られているということは、それだけ需要があるということ。ドイツの一般消費者の環境への意識の高さはどこから来るのか?という質問に、中石和良さんは「根底にあったのは、ドイツの宗教観だと思います」と興味深い回答。

子供をドイツの学校に通わせるクリューガーさんからも、学校教育のなかでパッシブハウスのことが取り上げられるなど、子供の頃から環境についての教育がされているというお話を聞くことができました。

そして、このイベントの締めくくりに出てきたのは「普段から私たち一般消費者ができるちょっとしたサステナブルな取り組みは何か?」という質問。竹でできたエコな水筒を持ち歩く中石真由子さんが、印象的なメッセージを残してくれました。

中石真由子さん

「私は、モノを買うときに2つのことを意識します。このモノが(最終的に)どこにたどり着くか、そしてこのモノが人を幸せにするか、ということです」

SDGs、エシカルやサステナブルといったキーワードがようやく浸透してきている今。今回のイベントが何かを知る、考えるきっかけとなることを願っています。参加してくださった方、そしてここまで記事を読んでくださった方もありがとうございます。

IDEAS FOR GOODのこれから

第1回目は「ソーシャルグッドなライター・編集者Meetup」、第2回目は「旅×サステナブル×ドイツ」というテーマでイベントを行ってきたIDEAS FOR GOODですが、これからメディアでの情報発信はもちろん、引き続きオフラインでも社会をもっと良くするきっかけになるようなイベントを開催していきたいと考えています。

また詳しいことが決まり次第、お知らせします。楽しみにしていてくださいね!

第1回目のイベントレポートはコチラ→→→ #01 IDEAS FOR GOOD Meetupレポート「『書く』を通じて社会をもっとよくする方法」

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