日本食は、世界でも人気のある食の一つである。特に“スシレストラン”は、海外を旅していれば見かけることがあるだろう。今回、デンマーク工科大学の国立食品研究チームが、まさに“スシ”用の余った米をリサイクルしてビールに生まれ変わらせた。その名も「Gohan Biiru(ごはんビール)」。日本人にはとても親しみやすい名前で、何だかワクワクしてしまう。
レストランでは、調理の際に米が余ることがある。余剰米はバイオガスに変えたり、動物の飼料として使用したりできるが、コペンハーゲンに本拠を置くスシレストランチェーンSticks’n’Sushiは米をリサイクルして、客に提供する持続可能で特別なビールに変える方法を考えたいと思い、調査支援をデンマーク工科大学国立食品研究所に求めた。
これを受けて、2018年秋から同研究所とデンマークのブルワリーScience Brew の共同チームが研究を行い、余剰米をできるだけ多く使った美味しいビールのレシピを開発するとともに、ビールに最良の風味を与える原料の識別を行った。
もっとも、米が原料のビールはアジアなどですでに生産されており、特に新しいアイデアではない。しかし、米ビールの醸造は米に含まれるでんぷん質がフィルターを詰まらせることがあるため難しいとされている。研究チームは、熱交換およびリバーシブルのポンプにより、フィルターが汚れると表面を自浄できるシステムをつくりだし、この詰まりの問題を克服した。
「Gohan Biiru」はすでに、コペンハーゲンの北に位置するリュンビューのSticks’n’Sushiで提供されている。最終的には、ロンドンなどにも展開するSticks’s’Sushiのすべての店舗での提供を目指すそうだ。
デンマークに旅行へ行かれる際は、Gohan Biiruをぜひ味わってみてはいかがだろうか。
【参照サイト】Sustainable beer made from surplus sushi rice
【参照サイト】Science Brew