脱プラは手元から。100%自然に還る世界初のスマホケース「Pela Case」

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プラスチック問題への関心が高まる中、エコバッグやマイボトル、マイストローなど日用品を見直し、「自分の身の回りからプラスチック消費を減らしていこう」とする動きが広がっている。近年、ほとんどの人が日常的に使用するものの代表格といえばスマートフォンだが、それを保護するケースのほうに目を向けてみたことがあるだろうか?

一般的にスマートフォンは18〜24か月で買い替えられ、スマートフォンの買い替えに合わせてケースも新調する人が多い。にも関わらず、従来のスマートフォンケースには何百年も残り続けるプラスチックが使われてきた。そこに着目し、世界初の自然に還元する素材のスマートフォンケースを作ったのが、カナダのスタートアップPelaである。

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Image via Pela

Pelaが開発した「Pela Case」は、亜麻のわらを活用して作られている。世界一の亜麻の生産地、カナダ・サスカチュワン州出身であったPela創業者のジェレミー・ラングは、亜麻仁油のもととなる種子を収穫したのち、残ったわらが畑で燃やされているのを知っていた。この現状をどうにかできないかと考えた彼は、亜麻のわらをバイオポリマーに組み込んで独自素材Flaxticを開発、これを使用してスマートフォンケースを製作した。Flaxsticの製品は各国の基準に則した安全性が保証されているだけでなく、亜麻の特性による高い耐久性も兼ね備えている。また、Flaxsticの製造過程で消費するエネルギーは、一般的なプラスチックポリマーの場合の約半分で、排出する温室効果ガスも最大60%抑えられるという。

筆者も実際に購入して使ってみた。届いたパッケージは究極にミニマルで、リサイクル可能な紙素材の包装に商品がそのまま入っていた。ここまでゴミが出ないのは気持ちがいい。

「なぜケースにケースが必要なのか?」という疑問から、Pelaは梱包材のシンプル化にも力を入れている。(COOKIEHEAD撮影)

筆者が選んだのはブラックのタイプである。デザインは極めてシンプル。ケースの表面をよく見ると、細かい亜麻の殻が入っているのがわかる。手触りは少し硬めでドライなシリコンといった感じだ。

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COOKIEHEAD撮影

スマートフォンケースの商品として、特に画期的な点や驚く点はない。しかし、シンプルで満足な商品が、100%堆肥化可能な素材で作られていること自体が素晴らしいと感じる。スマートフォンメーカー各社の多くの機種に対応しており、カラー展開も豊富だ。

2018年のレポートによると、Pela Caseが販売した堆肥化可能なスマートフォンケースにより、19トンのプラスチックが埋め立てられたり海に流出したりするのを防ぐことができた計算になるそう。彼らはさらに、1% for the Planet という団体と提携し、 環境保護活動を積極的に進めている。

現在は、毎年10億個以上のプラスチック製のスマートフォンケースが販売され、6万個ものケースが販売中のスマートフォンモデルに適合しないという理由で廃棄されているという。数年で買い替えられる消耗品であると考えると、今すぐにでも脱プラスチックでゼロウェイストなアイデアを導入するべき分野ではないだろうか。

【参照サイト】Pela Case

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