飛行機の乗り継ぎ便に乗り遅れそうになって、小型のスーツケースを引きながら空港の中を必死に走ったことはないだろうか。広い空港の中での移動はなかなか大変で、高齢の人や、ケガをしている人、車椅子に乗っていなくても体に障がいを持っている人などにとってはなおさらだ。
そんな人々の空港内移動をより快適にするべく、イギリスの航空会社大手ブリティッシュエアウェイズはすでに、ニューヨークの空港で、最先端の完全自律型車椅子を導入している。
今回ご紹介するのは、画期的なスーツケースだ。「Rydebot Puledro(ライドボット・プレドロ)」と名付けられたこの小型スーツケースは、ボタンひとつで電動スクーターに変身する。
アメリカのバッグ会社Rydebot社が開発した本スーツケースのサイズは、高さ55センチ、幅35センチ、奥行2センチとコンパクトで、スーツケースの重量はバッテリーも含めて7,5キロ。100ワットの電気モーターとリチウム電池を搭載している。取り外しも簡単で、2時間で100%充電できる。
連邦航空局(FAA)と運輸保安局(TSA)および国際航空運送協会(IATA)が定める飛行機の保安基準と規制に準拠しているので、安心して機内持ち込みができる(機内持ち込みの重量基準による)。容量は26リットルで、2、3泊の小旅行や出張に最適だ。
使い方は簡単で、電源ボタンを押して「スーツケースモード」から「ライディングモード」に切り替え、スーツケースに座って、伸縮式ハンドルバーで操縦するだけ。ハンドルバーにはブレーキボタンも付いている。ライディング可能な年齢は12歳からとなっており、乗客の体重に応じて、時速8キロの最高速度で5~8キロの距離を安全走行する。アルミニウム合金を使用した本体は頑丈で、体重100キロの人まで乗れ、高性能で耐久性に優れるホイールが快適走行を促す。
USBポートが組み込まれているため、外出先でもスマホやノートパソコンを充電できるのもうれしい。TSAコンビネーションロック(アメリカ運輸保安局によって認可された鍵)を使用しており、持ち物をスタイリッシュに安全に運べる。目を引くLEDライトもついており、目印にピッタリだ。価格は1295ドル(約13万9000円)で、日本への配達にも対応している。
Rydebot社の公式サイトでは、空港のほかにショッピングモールや駅、大学キャンパスやテーマパーク、通勤や観光などでの使用も薦めている。また、機内持ち込みはできないが、一回り大きなサイズ(高さ58センチ、幅48センチ、奥行36センチ)のスーツケースも販売しているそうだ。
わたしたちに新しいモビリティを提案してくれる、ボタンひとつで電動スクーターに変身するスーツケース「Rydebot Puledro」で、もっと多くの人が自由に快適に移動できるようになりそうだ。
【参照サイト】Rydebot Puledro