スペインの首都マドリードに、100%再生プラスチックで作られた美術館「THE PLASTIC MUSEUM」がオープンした。同国のデザインスタジオdelaVegaCanolassoがイニシアチブをとり、マドリード市内の国立美術館・ソフィア王妃芸術センターに隣接するフアン・ゴイティソーロ広場に10日間限定で設置されている。
この美術館の目的は、市民にプラスチックを正しく使用することの重要性について考えてもらい、日々の行動や買い物で、より良い選択肢を選ぶように促すこと。今や私たちの生活に欠かせなくなっている丈夫なプラスチックは、環境に大きな弊害をもたらしているからだ。
プラスチックの原料は石油であり、限りある資源が使われている。また昨今では街に捨てられたプラスチックが海に流れ着き、分解されずに細かくなった「マイクロプラスチック」となって海や河川を漂うことが明らかになっている。そこで獲れた魚や食塩を食べる私たちも、プラスチックを知らないうちに体内に入れているのだ。美術館では、そんなプラスチックに囲まれた生活を認識するため、ヘルスケア、通信、建設、食品、サステナブルなモビリティなど、ありとあらゆるプラスチックが使われている品々が展示された。
100%再生プラスチックでこしらえられた世界初の博物館はプレハブ建築で、組み立てに要した期間は、わずか2日。公開期間が終了したあとは、すべてリサイクルされる。この行動自体が直接的に環境を良くするわけではないが、身近なプラスチックを使って市民の環境意識を高めるという意味では良いアイデアではないだろうか。
【参照サイト】THE PLASTIC MUSEUM
Edited by Kimika