「コロナで結婚式が中止・延期になった」そんな声が多く聞かれた2020年から、約2年が経った。
アメリカで結婚式のプランニングサービスを提供するThe Knotによると、同国内では2020年、47%のカップルが結婚式を延期したという(※1)。また、結婚式費用の平均は、2019年には2万8千ドル(約400万円)だったが、2020年には1万9千ドル(約270万円)にまで減少した。
The Knotのクリステン・マクスウェル・クーパー氏は2022年、CNBCの取材に対して次のように語り、多くのカップルが結婚式において、プライスレスな価値を求めていることを示唆した。
2020年には多くのカップルが、互いへの愛や、身近な人への愛に、再びエネルギーを注ぐようになりました。自分たちが最も大切にしたい価値を見つめ直したのです。これに伴い、今後、結婚式の形式は多様化し、多くのカップルが独自性を追求するようになるでしょう。
このような状況のなか、北欧スウェーデンの首都近郊の街、ナッカにあるマクドナルドは、2022年8月に期間限定で「ドライブスルー」で結婚式を挙げられる機会を提供した。ドライブスルーのカウンターを結婚式用に飾り付け、カメラマンや見物人も手配。当日は、約30組のカップルがここで愛を誓ったという。
マクドナルドがこの取り組みを通して伝えたいメッセージは、「愛は、難しくあるべきじゃない(Love shouldn’t be hard.)」だ。コロナ禍が落ち着き、カップルがやっと結婚式を挙げようとしても、スウェーデンの式場は数か月先まで予約でいっぱいという状況である。
そんな中、マクドナルドのドライブスルーでは、1組あたり平均約4分という早さで挙式が行われた。普段から商品を早く提供する、マクドナルドらしい結婚式ではないだろうか。
カップルたちは当日、特別なパッケージに入ったハンバーガーセットも受け取った。同店のクルーによると、結婚式の現場は愛と喜びに満ちていたそうだ。
愛する人とのつながりを実感したり、自分が「楽しい」と思うことをしたりすることは、良好なメンタルヘルスを保つために大切だ。
従来の結婚式の形式にとらわれず、よりカジュアルに愛を伝える場が増えてもいいのではないだろうか。
※1 The Knot 2020 Real Weddings Study [COVID-19 Edition] | The Knot
【参照サイト】60 personer blev äkta makar på McDonald’s Drive Thru i helgen – McDonald’s Sverige
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