暑すぎた2023年は何色か?気候変動の“色”が伝える危険信号

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青や赤のストライプが印象的なデザイン。この縞模様をあしらったドレスがロンドン・ファッション・ウィークのランウェイに登場したり、英国のサッカーチーム、レディングFCの選手ユニフォームの袖のデザインに使われていたり、近年注目を集めている。さらにファッション業界だけには留まらず、バスのラッピングとして活用されるなど広く使われている。

Image via #ShowYourStripes

ストライプの色をよく見てみると、濃い青から薄い水色、白、うすだいだい、オレンジ、赤、濃い赤へと移り変わっている。おしゃれなグラデーションとも思えるこのデザインだが、実は地球の平均気温が徐々に上がっていることを表現しているのだ。

2018年にイギリス・レディング大学の環境科学者エド・ホーキンス教授によって作成されたこのClimate Stripeは、気温の記録が始まった1850年から2023年までの世界の平均気温を色で表現したものである。青は平均より涼しい年、赤は平均より暑い年を表している。2023年には世界の気温が観測史上最高を記録したため、今までで”一番濃い赤”が加えられた。

一般的にデータを視覚化する場合はグラフが使われることが多いだろう。しかし、数字が並んでいるグラフを見ると、なんだか難しいものと感じて、身構えてしまう人も多い。一方、このClimate Stripeの画像内には数字は書かれておらず色のみで気温の変化を訴えている。肩の力を抜きながらも、気候変動について考えることができるデザインなのだ。

「気候変動は本当に難しいテーマだが、人々はこのストライプを見てワクワクしている。この模様には人を鼓舞し、団結させる何かがある。エネルギーがポジティブな形で蓄積されていくのがわかります」

気候変動に関するデータ、影響、解決策などを発信する組織Climate Centralのチーフ気象予報士であるベルナデット・ウッズ・プラッキー氏はBBCに対してそうコメントしている。

#ShowYourStripesのウェブサイトでは、世界全体だけではなく、大陸、国、地域別に気温の変化を見ることも可能だ。例えば、1863年以降の日本のデータをClimate Stripeと数字入りグラフを見ることもできる。

ストライプ

Image via #ShowYourStripe

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実際、Climate Stripeのイメージは、気候変動を象徴的に表すデザインとしての認識が広まっており、環境活動家グレタ・トゥーンベリ氏の『The Climate Book』の表紙や、『エコノミスト』紙、ブラジルの新聞『フォーリャ・デ・サンパウロ』の紙面にも使用された。

 

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さらにアメリカの上院議員がClimate Stripeをモチーフにしたピンバッジを身につけたり、チリの大統領であるガブリエル・ボリッチ氏は、選挙前の最終討論でフェイスマスクとして着用したり、幅広い形で使われている。

ファッション、ポスター、商品パッケージなど、身近なところでデザインを活用できることがClimate Stripeの大きな特徴だ。何気ない日常の中で、この模様を見ることで気候変動に関する会話が始まったり、気づきのきっかけになったりすることも少なくないだろう。

【関連記事】気候危機を伝える。体温で絵柄が変化するフィンランドのアート切手
【参考サイト】#ShowYourStripes
【参考サイト】Climate stripes: Dark red line added after 2023 smashed temperature records
【参考サイト】The coloured stripes that explain climate change

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