【2024年6月】歩きやすい街ランキングで東京が世界6位に。グッドニュース5選

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、世界7カ国が再生可能エネルギーほぼ100%の発電を達成したことや、世界で初めて“お城”がB Corp認証を取得などを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01.自然の中にいると、時間の感覚がゆっくりになるという研究結果

「1日24時間じゃ足りない……」という嘆きは何度も耳にしたことがあるが、「1日24時間もあると持て余す」という意見はあまり聞いたことがない。多くの人が後者のように時間に追われる感覚を持っていることが多いのは、なぜだろうか。

そんな「時間感覚」は、都市空間と自然の中にいるのとで違いが生じているとの分析が明らかにされた。自然の中にいると、時間の受け取り方がゆっくりになり、過去・現在・未来に対してポジティブな見方をするようになるという。この結果から、時間の「希少性」が高まる現代において、自然の中で過ごす経験を通して時間の捉え方を変えていくべきではないかと提案している。 

「時間が足りないから働く時間を増やす」のではなく、もっと長期的でゆっくりとした時間感覚を養おう──そんな呼びかけが、自然界から静かに届いているのかもしれない。

【参照サイト】Acknowledging and understanding the contributions of nature to human sense of time
【参照サイト】How nature can alter our sense of time

02. 水不足が続くインドで、エンジニアが空気から水を生み出す

インド国内でも大きなビジネス都市とされる、ベンガルール。ここを含むインド南部一帯が、例年よりも降水量が少ないため深刻な水不足に悩まされている。そんな街で、エンジニアたちが驚くべき方法で水を生み出している。しかも、それがまるで映画『スターウォーズ』に登場する手法のようだと話題になっている。

彼らは、空気から水を作っているのだ。大気中の水分を吸収した乾燥剤を太陽光などで65度まで加熱することで、その水分を外に出すという。すべてのプロセスを終えるには12時間かかるが、1日で2,000リットルの水を確保することができるそうだ。すでに商品化されており、約40社との取引があるという。

SF映画の出来事が、現実社会での解決策になるなど、想像もつかないだろう。私たちが「遠い未来のこと」と思い込んでいる技術や発想にも、目の前の課題を乗り越えるヒントが詰まっているかもしれない。

【参照サイト】印ベンガルールで深刻な水不足、企業活動に支障
【参照サイト】Indian Engineers Tackle Water Shortages with Star Wars Tech in Kerala

03. 東京が世界で6番目に歩きやすい街に

都市のまちづくりにおいて、「歩きやすさ」を重視したウォーカブルシティが注目を集めている。街の機能を小さい範囲にまとめるコンパクトシティや、15分圏内に生活に必要な施設をそろえる15 minutes cityなども、徒歩や自転車だけでも過ごしやすい街を目指す同様の動きだ。

価格比較サイト・Compare the Marketが公開した、世界で最も歩きやすい街ランキングで東京が6位にランクインした。上位10カ国のうち欧州以外の都市は東京のみ。1位はドイツ・ミュンヘン、2位はイタリア・ミラノ、3位はポーランド・ワルシャワ、4位はフィンランド・ヘルシンキ、5位はフランス・パリと、欧州の都市が名を連ねた。

東京が評価されたポイントは、散歩道が多いことだという。おそらく都内でも、地域によっては徒歩で過ごしにくい場所も多いだろう。それでも、東京という大規模な都市がウォーカブルシティに選出されることは、人口規模が大きくとも徒歩で暮らしやすい街を実現できる可能性を示してくれるはずだ。

【参照サイト】Tokyo is ranked the sixth most walkable city in the world

04. アメリカのヨガスクールが3匹の子豚たちとのヨガ教室を提供

アメリカ・マサチューセッツ州で人気のヨガクラス。オンラインでの予約開始から1時間で売り切れることもあるなど、かなり人気のようだ。しかしそこに、人気インストラクターも最新施設も存在しない。

そのヨガ教室は、芝生の上で行われ、3匹の子豚たちが一緒に参加するのだ。子豚はヨガをする人々の周りを自由に歩き回り、参加者は時々近くに寄ってくる子豚との触れ合いを楽しんでいるという。また、保護施設の動物たちが参加した場合、新たな家族になることを促すかもしれないと期待されているのだ。

人間と交流することを好む動物の場合、こうした取り組みは相互に良い影響を与えるという。人と動物との関係を一歩良くするきっかけになりそうだ。

【参照サイト】Three little piggies at a yoga class = maximum happiness

05. カナダのフードバンクが、スーパーマーケット式の食品提供を開始

カナダに「無料のスーパーマーケット」がもうすぐ完成するという。しかしここに並ぶのは、普通のスーパーで見かける商品ではない。フードバンクを通じて集まった食品だけが並ぶのだ。

同国で40年以上フードバンクを運営するNGO・Regina Foodbankが新たに開設する予定なのが「the Community Food Hub」だ。フードバンク利用者は、既定の商品のセットを受け取るのではなく、自分で何がどれだけ必要であるかを考えて選ぶことができる。こうした形式は、国内初の試みだという。

利用者が過不足なく食品を得られるだけでなく、自分の暮らしを自らの選択で築くことで、人々の尊厳を守ることにもつながる取り組みだ。

【参照サイト】Introducing Choice – Introducing the Mosaic Market at the Community Food Hub
【参照サイト】Canada’s 1st full-scale free grocery store to open in Regina

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