肥満の子どもが運動するほど、飢餓に苦しむ子どもが救われるウェアラブルバンド

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WHOによると、世界中の5歳以下の子どもの死因のうち、飢餓による栄養失調を原因とする死は35%を占めているという。一方の先進国では、過度な食事や運動不足により体重を減らすべき状況にいる子どもが多いのが現状だ。アメリカでは子どもの4 人に1人が運動不足に陥っており、子どもの肥満は社会問題の一つとなっている。

この偏りに注目したUNICEF は、栄養失調の子どもを救うためにあるプログラムを展開している。先進国の運動不足に陥っている子どもたちが、飢餓に苦しむ途上国の子どもたちを救うことができる時計型のウェアラブルバンド、「Kid Power Bands」を開発したのだ。

子どもたちはこのウェアラブルバンドを手に装着して運動をすることで、連携しているアプリを通じて自分の運動量を測定することができる。また、このバンドは時計の役割も兼ねている。しかし、「Kid Power Band」がユニークなのはここからだ。

子どもたちはバンドを装着しながらアプリ上のミッションをこなし、運動をすることでポイントを貯めることができる。そして、貯めたポイントの分だけ、栄養価の高い食料が途上国にいる栄養失調の子どもたちに届けられる、という仕組みとなっている。自分が楽しみながら体を動かせば動かすほど、遠くの子どもたちの命を救えるというバンドなのだ。

ダイエットで貧困の子供を救えるウェアラブルバンド

このプログラムは、当初はその名の通り子ども限定で始まったが、現在は大人も参加可能だ。世界中の子どものために何かをしたいと考える大人も多く、このプログラムは運動へのモチベーションをより一層高めてくれる。企業の社会的責任について考えるビジネスリーダー達からも好意的に受け入れられているようだ。

プログラムが開始されてからまだ日は浅いものの、このバンドはすでに多大な効果をもたらしている。UNICEFのDesma Dietzによると、去年は500万もの食料パケットが手に入り、栄養失調に陥っている30,000人の子どもの命を救うことができたという。今後はバッテリーやディスプレイ表示といった技術面での改善を施し、より使いやすいバンドを目指すとのことだ。

先進国の子どもたちの運動不足・肥満という問題と、途上国の子どもたちの貧困・飢餓という、一見ベクトルが全く違う2つの社会問題に同時に取り組んでいる点がユニークだ。過剰が不足を補っているということだ。

【参照サイト】Kid Power Bands
(※画像:unicef USA

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