イギリス、新築住宅に電気自動車充電設備の導入を義務付けへ

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イギリスが、新しく建てる住宅に対して電気自動車充電設備の設置を義務付けていく意向を発表
した。これは、道路交通による二酸化炭素排出をゼロにするという目標を掲げるイギリスの国家交通戦略「Road to Zero」の一環である。

排気ガスを出さない電気自動車の普及にあたっての大きな課題の1つは、充電スタンドの数が不足していることだ。家から充電スタンドまでの距離が遠かったり、充電スタンド間の距離が長いと、不便を感じて購入をためらってしまう。IDEAS FOR GOODでは以前、この課題解決に挑戦するべく、「電気自動車に電気を配達する」というサービスを提供しているベルリンのスタートアップ企業Chargeryをご紹介した。

現在、道路交通による二酸化炭素排出をゼロにする試みが世界中で行わているが、今回の決定は、電気自動車への切り替えの大きなきっかけとなり、自動車業界の根本的な改革を意味する。イギリス政府は、この改革が新たな雇用と大きな成長機会をもたらすとも考える。

今回イギリス政府は、新築住宅における電気自動車充電設備の設置義務付けの意向を発表したが、今後は最も費用対効果が高い方策を検討しながら、電気自動車充電設備の設置義務の法律化をできるだけ早く進めていく予定だ。この法律が実際に施行されれば、自分の家や目的地である友人の家で充電できるようになり、充電スタンド数の不足という問題が大きく解決されることになる。

また、職場や公共設備にも電気自動車充電設備の充実を図っていくという。路上駐車が現在可能な居住エリアに今後設置される、すべての新しい街路灯にも電気自動車充電設備を設置していく。

高速道路を使っての長距離移動も安心してできるようになる。2020年までに、20マイル(32km)ごとに1箇所、自動車道路サービスエリアに電気自動車充電設備の設置が予定されているのだ。これらの公共施設における電気自動車充電設備の整備は、2017年予算で計上された4億ポンド(約600億円)の電気自動車充電設備インフラ投資資金で賄う。

今回発表された、「新築住宅に電気自動車充電設備の設置の義務付け」の推進は、イギリスが掲げる道路交通による二酸化炭素排出ゼロという目標達成への大きな架け橋となり、他の多くの国にも影響を与えていくことが予想される。これからの動向に注目したい。

【参照サイト】Roads update: the zero emission road transport strategy
【関連記事】ベルリン発、いつでもどこでも電気自動車に電気を配達する新サービス「Chargery」

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