無電化地域に皆であかりを届ける。パナソニック「あかりを買って未来を照らそう」キャンペーン開始

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今日10月21日は「あかりの日」だ。140年前の今日、かの有名なエジソンが白熱電球を完成させた。今の私たちは電気のあかりがあるおかげで、暗くなってからも安心して道を歩けるし、日没後も仕事や勉強ができる。

しかし世界ではいまだ、無電化地域に住む人々が11億人もいるのをご存じだろうか?インドネシア・ミャンマー等のアジアの一部地域、ウガンダなどのアフリカの一部地域などでは、暗くなると灯油ランプを使用するが、そこから出る黒い煙は人々の呼吸器に深刻なダメージを与える。しかも灯油ランプは暗いため、細かな作業が求められる手仕事や勉強はしづらい。夜間の出産や治療・手術も暗闇の中となってしまうため、日没後は安心して医療が受けられない。こうした状況は、貧困から抜け出すのが難しいという悪循環にもつながってしまっている。

そんな無電化地域にあかりを届ける活動を行っているのが、大手電機メーカーのパナソニックだ。2013~2018年には「ソーラーランタン10万台プロジェクト」として、アフリカ、アジア、中米の30ヵ国の無電化地域に、計10万台以上のソーラーランタンを寄贈してきた。そして新たに10月からスタートさせたのが、「あかりを買って未来を照らそう」キャンペーンだ。2020年1月末までの期間中、パナソニック製の照明・管球(LED電球、シーリングライトなど)の全商品を対象に、売り上げの一部をソーラーランタン寄贈にあてる。

ソーラーランタンはその名の通り、太陽光で充電する手の平サイズのランタンである。20㎝四方ほどの付属のソーラーパネルに接続して約6時間で充電が完了し、約6~90時間使える。金属製の取手がついており、天井からつるしたり壁にかけたり、机の上に立てて使うことができる。明るさは3段階で調整ができ、一番明るい状態にしておけば、部屋全体を照らしたり、診療所を照らしたりすることも可能だ。もちろん煙が出ないので健康にも環境にも優しく、火が出ないのでやけどや火事の心配もない。毎月の燃料費も節約できる。

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付属のソーラーパネルに接続して充電する。金属製の取手は、天井からつるしたり壁にかけたり、机の上に立てることが可能だ。

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ソーラーランタンがあれば、外が暗くなってきても勉強を続けられる。

「ソーラーランタン10万台プロジェクト」は大きな成果につながり、例えばミャンマーでは寄贈対象先での灯油ランプの使用率が37.7%減り、インドでは一人当たりの労働時間が1日あたり1時間増え、年収が40%増加したという。

https://youtu.be/KWpbPTozPQg

そして今、ソーラーランタン寄贈の活動を継続し、さらに深化させていくために、パナソニックは2つの活動を実施している。

その一つは「みんなで“AKARI”アクション」だ。この活動を一企業の企業市民活動にとどめず、社内外に支援の輪を広げるため、古本・CDなどによる寄付やクラウドファンドによる寄付(不定期開催)を受け付けている。先述の「あかりを買って未来を照らそう」キャンペーンは、この活動の一環として行われる。管球商品が一番売れる年末年始の時期に合わせて、全国約2.2万件の家電量販店などでキャンペーンを実施することにより、ソーラーランタン寄贈活動の認知を高めることが狙いだという。必要な電球を買うだけで、誰でもソーラーランタン寄贈に参加できるというのが嬉しい。

もう一つは「無電化地域ソリューション」。こちらは、現地で活動するNGOと協働し、より大型のソーラー商品・システムの寄贈と教育・啓発プログラムの導入を行うことで、現地のコミュニティが自走できる状態になることを目指している。

例えば、インドネシアの西カリマン州ではディアン・デサ財団と協働し、当財団の研修施設と近隣の村に計2台の太陽光発電・蓄電システムを寄贈するとともに、電気を活用した地場産業の開発を支援している。欧州で人気のモリンガという健康食品や、川魚を使った加工食品などを開発中だ。

ミャンマーのイワラジ管区ベーゼンセンナ村では、教育・福祉を支援するNGO「れんげ国際ボランティア会」と協働し、学校の校庭に太陽光発電・蓄電システムを設置し、夜間にも学習できる環境を整えた。発展途上国では社会の未成熟さから犯罪や汚職などが起きがちで、子どもたちにも伝播しがちだが、その悪い連鎖を断ち切るため、道徳教育も支援している。創業者である松下幸之助による松下哲学の入門書『素直な心になれたら 松下幸之助が中学生に教えたかったこと』をミャンマー語に訳して、読書感想文コンクールを実施しているそうだ。

ここで紹介した「みんなで“AKARI”アクション」と「無電化地域ソリューション」の2軸で、パナソニックはこれからもますます無電化地域の支援を進めていくのだという。

年末の大掃除の時期には、多くの人が家電量販店を訪れ、電球やシーリングライトを買う。今年の年末には、より多くの人が無電化地域に思いを馳せ、少しでも多くのあかりが無電化地域に届けられることを期待したい。

【参照サイト】POWER!(パナソニック CSR・環境)
【参照サイト】パナソニックの”あかり”関連商品で無電化地域に”あかり”を届けよう~『みんなで”AKARI”アクション』新プログラムをスタート

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