ドイツ鉄道が無人運転電気バスのテスト運航。地方の個人移動をエコに自由に

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環境のことを考えて、車に乗らない生活を始める人が増えてきている。しかし私たちの毎日の生活のなかで移動手段の確保は欠かせず、さまざまな公共交通機関が便利に使える都市部は良いが、地方は公共交通機関が十分に発達していない場所も多く、自家用車での移動がまだまだ一般的である。

そんな中、ドイツ鉄道がこのほど、ドイツ南部バイエルン州のバートビルンバッハ(Bad Birnbach)町で、鉄道駅発着の無人運転電気バスのテスト運航を開始した。農村部の近距離交通を充実させ、個人の移動にかかる環境負担を減らすことが目的だ。

ドイツ鉄道の電気バス

(c)DB

バートビルンバッハは、人口5,700人の緑あふれるのどかな町。この町の中心広場から2㎞離れた鉄道駅まで、2つの無人運転電気バスがすべての列車の発着に合わせて、毎日午前8時から午後6時まで一般道を走行する。

2017年からバートビルンバッハ町ではすでに無人運転電気バスが700mの距離を運行しており、これまでに4万人以上の乗客がこのサービスを利用してきた。今回ドイツ鉄道は、運行ルートを鉄道駅まで延長して、道路と鉄道のネットワークを強化させた。

この無人運転電気バスの最高時速は15㎞。運転手はおらず、ハンドルもアクセルペダルもなく、1人係員が搭乗して必要なときにだけ運転を行う。車両はバリアフリーで最大6人まで乗車でき、Wi-fiとUSB充電ポートも装備する。濃霧や降雪などで自動運転が不可能な場合は、ミニバスが代替運行する。

さらに、無人運転電気バスの運航に伴い、安全性を確保するべく革新的な交通案内システムを採用した。道路に設置されたカメラが無人運転電気バスを検知すると、デジタル可変標識が、他のすべての道路利用車両の速度を30 km/hに低減するのだ。

ドイツ鉄道の電気バス

(c)DB

今回、無人運転電気バスに乗車した、交通・デジタルインフラ相ショイアー氏は、「この町の一般道を無人運転電気バスが走るという、ドイツ鉄道のプロジェクトは、公共交通機関と農村地域の接続の新しい可能性になる。人々は老後も移動し続けるので、交通もより安全に安く、地球にやさしくする必要がある。ドイツ鉄道がこの町でテストを行うことで、人々が自動運転の恩恵が受けられることを非常に嬉しく思う。」と語っている。

ドイツ鉄道旅客輸送局長のフーバー氏は「気候変動対策のための交通革命は、ドイツにとって都市を超えた課題にならなくてはならない。特に農村部の近距離交通では、より多くの人々を環境にやさしい交通機関につなげる施策が必要だ。これを達成するために、われわれは道路と鉄道をさらにネットワーク化したい。農村地域でも自家用車なしで個人の移動が可能になることを願う。」と述べている。

道路と鉄道を結び付け、農村部の個人移動をよりエコに自由にするドイツ鉄道の試み。今後のさらなる展開が期待される。

【参照サイト】Deutschland-Premiere in Bad Birnbach: Mit autonomen E-Bussen über die Landstraße zum Zug
(※画像:ドイツ鉄道より引用)