社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、95歳でグラミー最優秀新人賞をゲットしたおばあちゃんや、卵がマイクロプラスチックをろ過する技術などをご紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 姿を消したオオカミの群れ、再び繁殖か

1世紀以上前に姿を消したとされるアメリカ・オレゴン州のハイイロオオカミが、現在カリフォルニア州で再び繁栄している可能性があるという。2022年春には、三つの群れのうちの一つが8頭の子どもを産んだとされたことが、州から報告されたのだ（※1）。

オオカミは、生態系のなかで「捕食者」として重要な役割を果たしている。同じアメリカのイエローストーン国立公園でも、わざわざカナダからオオカミを輸入して野に放つ動きがあったくらいだ。自然とオオカミの今後の動きを見守っていきたい。

【参照サイト】A remarkable sign’: flurry of wolf births offers hope for California comeback

02. フランス、若者のコンドームを無償提供へ

フランスで、18歳から25歳の若者を対象にコンドームの無償化が決まった。マクロン大統領の発表によると、2023年からは薬局でコンドームが無料で手に入れられることになるという。フランスの性感染症の感染率は2021年から2022年で30%上昇しており、それを防ぐ対策として今回の法案が打ち出されたのだ。

若い女性のピル処方や避妊リングも無償化するなど、2022年はフランス国内の性感染症対策、望まない妊娠を防ぐ対策として大きな進歩を遂げた年となった。

【参照サイト】France makes condoms free for 18 to 25 year olds

03. 超音波を3Dプリント？視覚障害があっても赤ちゃんの形がわかる技術

子供がお腹にできたとき、超音波でその形を確認することが何度もある。しかし目の不自由な人の場合は、赤ちゃんの形を確認することができず、耳から入ってくる説明に頼らざるを得ない。そこでアメリカ、ネブラスカ州の病院では、赤ちゃんの形を3Dプリントして母親に渡すことを決めた。

自分の子供の目や鼻、小さな唇などに実際に触れた母親は、感動していた。心あたたまる技術だ。

【参照サイト】Expecting mother with visual impairment able to ‘see’ baby with 3D printed ultrasound

04. 散歩中にごみを拾って街をきれいにする12歳の犬

近隣住民に「エコドッグ」と呼ばれ親しまれている12歳のボーダーコリー、スクラフ。彼が毎日の散歩中に果たしている役割は、街に落ちているペットボトルを集めることだ。飼い主によると、これまで1,000以上のごみを集めてリサイクルしてきたという。

スウェーデンなどでは、ジョギングの最中にごみを拾うプロギング（スウェーデン語で拾うという意味の”plocka upp”と、”jogging”を組み合わせた言葉）という概念も出てきている。犬にできることなら、人間でもできる。そんなことを思わせてくれるニュースである。

【参照サイト】Clever dog is helping clear the streets of litter – collecting plastic bottles during walkies | SWNS

05. 「1日1分間の激しい運動が、寿命を延ばす」シドニー大学

2022年12月18日にシドニー大学が発表した調査によると、1日につきたった1分間、息があがるくらいの激しい運動をすることが早期死亡のリスクを回避することにつながるという。

研究では、バス停まで走ったり、子供たちとエネルギッシュに遊んだり、プールで思い切り泳いだりすることを激しい運動としている。2万5,000人を対象にした実験では、激しい運動によって全原因およびガンによる死亡リスクが38%減少したことや、心血管疾患による死亡リスクが48%減少したことがわかった。運動は人によってつらいものだが、たった1分と思えば続けられそうだ。

【参照サイト】Association of wearable device-measured vigorous intermittent lifestyle physical activity with mortality

※1　Wolf Management Update California Department of Fish and Wildlife July – September 2022