【2023年12月】高校生がレゴを集めて、おもちゃを買えない子たちにプレゼント。ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース5選

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、世界初のマッコウクジラのための保護区設置や、インドの学生が開発したパーキンソン病患者に向けスマートスプーンなどを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 要らないレゴを回収・洗浄して子ども達に届ける「Pass the Bricks」

子ども達に人気のおもちゃといえば、レゴは欠かせないだろう。想像を広げて自由な遊び方ができるため、知育玩具として保護者からも支持されている。しかし、レゴのようなおもちゃを手に入れることができない子ども達も多く、感情や認知的発達に支障をきたすこともあるという。

この課題に立ち上がったのが、カリフォルニア州の高校に通うチャーリー・ジェファーズさんだ。チャーリーさんも幼い頃からレゴで遊んで育ってきた一人だそう。そんな彼は2020年にPass the Bricksを設立。不要になったレゴを地域内で回収、ボランティアチームが洗浄して新たなセットをつくって子ども達に届けているのだ。これまでに3,000人以上の子ども達にレゴのセットを届けてきた。なかには「一日だけ休みが欲しいスーパーマン」と名付けられたセットもあり、バラバラのブロックが集まることをうまく生かした事例だろう。

【参照サイト】Teen Creates LEGO Charity to Collect and Wash Old Bricks to Give Away New Sets–For 3,000 Kids So Far

02. 「紫外線を見る蝶」の能力が、ガンの発見に役立つ

自然界の生き物は、私たちが想像もつかないような特異な性質や能力を持っていることがある。その驚くべき能力やシステムから学び、模倣することで新しい技術を開発することはバイオミミクリーと呼ばれ、これまでにも多くの先例が生まれてきた。

イリノイ大学の教授らが着目したのは、ナミアゲハの視覚システムだ。研究チームのGruev教授は「蝶は複数の紫外線スペクトラムを見ることができ、その機能を真似たカメラを開発した」と、EurekAlert!に語っている。これにより、健康な細胞とガン細胞を99%の確率で見分けることができるというから驚きだ。私たちが自然から学ぶことは、まだ山のように残されているのだろう。

【参照サイト】Seeing the unseen: How butterflies can help scientists detect cancer

03. インドネシアで、絶滅の危機に瀕するスマトラサイの赤ちゃんが誕生

サイのなかでも最も小さい種とされるスマトラサイは、個体数の減少傾向が続いており、近絶滅種(CR)としてレッドリストに指定されている。そんな中、インドネシア・スマトラ島で今年二頭目となるスマトラサイの赤ちゃんが保護区で誕生したのだ。

2023年現在、スマトラサイは世界でも個体数が80頭に満たないと推定され、その全てがインドネシアに生息しているという。一年に二頭も誕生することは、絶滅を食い止めるための大きな一歩だろう。生物多様性が失われていくニュースに心が痛むが、このように保護のために奔走し続けている人たちがいることも忘れないようにしたい。

【参照サイト】Second endangered Sumatran rhino born in Indonesia
【参照サイト】スマトラサイについて|WWFジャパン

04. 農業への関心を高めたい。一枚の写真で注文が5倍に

農業に対して、どんなイメージを持っているだろうか。屋外での体力仕事が中心で大変そう、という印象を持っている人が多いかもしれない。

このイメージを覆そうと、和歌山でみかんを栽培する森本農家の販売サイトに掲載された写真が、利用者によってSNSで投稿され話題となった。サングラスをかけ、手を組んでいる様子はまるでアーティストのようだが、全員みかん農園の方々だ。この一枚の写真により、農園の訳ありみかんは大人気に。従来の農業へのイメージとファンキーな写真とのギャップが、多くの人に届くきっかけとなったようだ。

【参照サイト】「おばあちゃんのボス感すごい」みかん農家の写真が大バズり→注文が急増「驚いています」 和歌山

05. 保護された象に13年間ピアノを聞かせてみたら見えたもの

タイにある象の保護施設、Elephants Worldでは、人間のために働き続け、悪質な扱いを受けたために目が見えなくなったり障害を負ったりした象を保護している。この保護区内で、13年にわたって約150回も象のためにピアノを演奏し続けているのがポール・バートンさんだ。

ポールさんは、いつでも襲われる可能性があるほど近距離でピアノを演奏する。しかし、象たちは食べるのを止めて静かに音楽に聞き入ったり、近寄って来たりするという。シューベルトを演奏すると離れていき、ベートーヴェンを演奏すると傍に寄ってくるなど、興味深い発見もあったという。一日でも早く虐待行為のない社会が実現し、動物と人間が音楽を通して心を通わせるような日が訪れてほしい。

【参照サイト】Experience: I play piano for rescued elephants

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