育休中の社員にも、同僚にも手当を支給?グッドニュース5選【2025年9月後半】

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、老眼に効く目薬やレゴでカスタマイズできるジュエリーといったトピックを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 思わず空を見上げたくなる?オゾン層の着実な回復が明らかに

環境問題のニュースには、心が曇りがちになることも多い。けれど、私たちが行ってきた小さな取り組みが、決して無駄ではなかったと証明するような嬉しい知らせが、はるか上空から届いた。地球を紫外線から守るオゾン層が着実に回復しているというのだ。

かつて冷蔵庫やスプレー缶などに使われ、オゾン層を破壊する原因となっていたフロンガス等は、モントリオール議定書といった世界的な取り決めによって99%以上が廃止された。その成果として、南極上空のオゾンホールも2066年頃には1980年代のレベルまで回復すると予測されている。

人々が手を取り合えば、地球規模の課題も解決へと導ける。そんな希望の証が、いま私たちの頭上に広がっているのだ。

オゾン層

【参照サイト】WMO Ozone and UV Bulletin

02. 三井住友銀行、育休中の社員と同僚に報奨金を与える新制度を開始

子どもが生まれるのは喜ばしいことだ。それはわかっていても、「育休をとるのが申し訳ない」「同僚の育休中に仕事を引き取るのは大変そうだ」と感じてしまうこともあるだろう。このジレンマをどう乗り越えれば、誰もが安心して子育てできる社会になるのだろうか。

そんななか、三井住友銀行は、子どもの誕生をチームで喜び合える未来をつくるため、新たな制度を導入した。同行は男性社員に1か月以上の育児休業取得を「必須化」。さらに育休を取った本人だけでなく、その業務を支える同僚にも5万円の報奨金を支給することを決定したのだ。

この仕組みは、育休取得者への「おめでとう」と、送り出す同僚への「ありがとう」、その両方に光を当てるものだ。誰かの幸せをみんなで喜び、支え合う。そんな働き方やチーム作りが、ゆくゆくは子どもたちの希望ある未来につながっていくのかもしれない。

【参照サイト】育休をきっかけとしたチームレジリエンス強化および男性社員の育休取得必須化の取組開始について

03. スウェーデン、自国への旅行を患者に「処方」

処方、といえば薬を思い浮かべるだろう。しかし、スウェーデンの医師は健康増進のため、患者に「自国への旅行」を処方するかもしれない。

この「旅の処方」は、スウェーデン政府観光庁(Visit Sweden)が立ち上げた「スウェーデン処方箋」と呼ばれる取り組みである。この構想は自然や文化、人との交流が心身の回復に効果的だという研究結果に基づいたもので、医師がサウナや森林浴といったスウェーデンならではの体験を患者に勧めるよう奨励されている。

処方されるのは、睡眠を改善するためのサウナ体験や、血行を促進するための例水浴など。患者は、世界中のどこからでもVisit Swedenのウェブサイトで紹介状をダウンロードし、かかりつけ医に提示することができる。

日のあたたかな光や森の涼しい空気……旅先でのおだやかなひと時は、薬とはまた違ったアプローチで心身を癒してくれるだろう。

【参照サイト】Fancy a sauna on prescription? Sweden becomes the first country doctors can recommend for your health

04. 世界一かわいい同僚?イギリスの駅で雇用された「3匹の猫」

英国のノース・ヨークシャー・ムーアズ鉄道は、3人……いや3匹の同僚を正式にスタッフとして迎え入れた。ふわふわの毛皮を持つ黒猫の「ティッチ」「クリンカー」「アッシュ」である。

駅の近くで寝泊まりしていた3匹は、ネズミの数をコントロールするという大切な役割を担うスタッフだ。3匹はまだ研修中で、ドングリや仲間の陰に忍び寄っては、獲物を仕留めるための動きを練習している。勤務時間外には、駅を訪れる人々からたっぷりと可愛がられている彼ら。そのチャーミングな姿で多くの人を魅了している。

人間と動物がそれぞれの役割を持ってのんびりと支え合う──そんな、ゆるやかなつながりの形になんだかほっとする。

【参照サイト】UK Railway Line ‘Hires’ Three New Cats Found Sleeping Rough Nearby

05. 誰かを助けることが、認知症予防に

「人のため」と思ってしたことが、巡り巡って自分を豊かにしてくれた。そんなふうに感じたことはないだろうか。その感覚は、心だけでなく脳にも良い影響を与えることが科学的に示された。

新しい研究によれば、週に数時間、ボランティアのような公式な活動、あるいは友人・隣人を手伝うといった非公式な行動であっても、他人を助けることが中高年の認知機能の低下を15〜20%遅らせるという。これは3万人以上を20年間追跡した大規模調査から導かれた結果だ。

社会的なつながりや役立つ喜びが、自分自身の未来の健康を支えてくれる。大げさなことでなくてもいい。身近な誰かにそっと手を貸す。その小さな優しさが、自分にとって最高の栄養剤になるのかもしれない。

【参照サイト】Helping Others Shown To Slow Cognitive Decline

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