ペットのための“育児”休暇?【少し心が明るくなる世界のグッドニュース5選】

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SNSで話題になるトピックを探すと、著名人や個人の炎上や、醸すような発言、政治家の失言、殺人事件などが目に留まる。日々飛び交うネガティブな情報や、議論を見て「なぜ●●(特定のコミュニティ)の人たちはいつもこうなんだ……」 と自分とは違う意見を持つ人たちにイライラしたり、「もうこんな社会は嫌だ」と心底うんざりしたりした経験もあるのではないだろうか。

英オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所が2022年6月に発表した調査報告書「デジタルニュース・リポート2022」では、昨今の世界情勢からニュースを意図的に避けていると回答した人が38%。特に若年層の中では「ニュースが自分の気持ちに悪影響をもたらす」との回答が目立った。私たちは、ついネガティブな情報を選び取ってしまいがちなのだ。

そこで、本記事ではあえて「世界で起きた最近のグッドニュース」に着目してみる。悲しくなってしまう事象と同じくらい、気分が良くなる出来事もあるからだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 100年前に絶滅したイグアナが、ガラパゴス諸島に戻ってきた

太平洋に浮かぶエクアドル領、ガラパゴス諸島。ここに生息する3種類の陸イグアナのうち、コノロフス属の爬虫類が、1世紀ぶりに繁殖して島を豊かにしていることが分かった。

カリフォルニア科学アカデミーが1903年から2006年にかけて行った調査によると、ガラパゴス諸島のサンティアゴ島では、20世紀初頭にはすべてのイグアナが絶滅したという。そこで2019年、ガラパゴス国立公園当局が近隣の島から 3,000頭以上のイグアナを連れてきた。

現在、またそのイグアナが人間の手を借りずに繁殖し、島の自然生態系が回復しつつある。

【参照サイト】Iguanas reproducing on Galapagos island, more than a century after disappearing

02.マラリア感染を予防する新たな抗体、初の人体試験に成功

1年間に約2億2,000万人の感染者、推計43万5,000人の死亡者を出すマラリア。そんなマラリア感染を予防する抗体「L9LS」の有効性が、人に対する実験で改めて明らかになった。

第1相試験では、17人の健康な被験者が選ばれた。一部の対象は静脈内投与を受け、他の対象は皮下注射を受けている。抗体を持ち始めてから2週間から6週間後にマラリアを媒介する蚊に刺されたところ、数週間でマラリアを発症したのは17人中2人のみ。完璧ではないものの、抗体の有効性が確認された。

今後、マラリアが流行する熱帯・亜熱帯地域での活躍が期待されている。

【参照サイト】Low-Dose Subcutaneous or Intravenous Monoclonal Antibody to Prevent Malaria

03. アメリカの失業率が、コロナ前の水準まで戻っている

日本と同じく、新型コロナで経済に大きな打撃を受けたアメリカ。2022年7月の就職人数について、アメリカの経済新聞「ウォールストリート・ジャーナル」の発行元であるダウ・ジョーンズは当初、25万8,000人ほどだと推定していた。

しかしCNBCの8月5日の報道によると、結果的には2倍以上の52万8,000人の人が、アメリカ全体の失業率は 3.5%にまで落ち込んでいる。これは、新型コロナの打撃を受ける前まで戻ったということであり、1969 年以来の最低水準だ。賃金もアップし、平均時給は月間で0.5%、前年同期比で5.2%上昇した。

【参照サイト】Payrolls increased 528,000 in July, much better than expected in a sign of strength for jobs market

04. ペットのための“育児”休暇

子供を育てるための休暇を、自宅で飼っているペットにも適用できる企業が、アメリカやイギリスで増えつつある。通常、育児休暇では英語だと「Paternity Leave」だが、ペットの場合は「Pawternity leave(Pawは犬や猫の足のこと)」と呼ばれている。

例えば犬の散歩代行サービスを提供するRover社や、データ提供を行うmParticle社は、ペットの世話にかかる時間を重く捉え、そのための有給休暇の制度を作っている。他にも、死別したペットを悼むための有給休暇がある会社もあるという。子供と同じようにペットも家族の一員と考える人にとって、これ以上の喜びはない。

【参照サイト】Some employers offering ‘pawternity leave’ for workers

05. 失われたリンゴの品種を回復させ続ける男性

アメリカ・ノースカロライナ州に住む79歳の男性、トム・ブラウン。定年後、彼はあらゆる品種のリンゴに首ったけになった。

リンゴはときどき、カブトムシや土地の開発、嵐などによって特定の品種が絶滅することがある。そこで彼は、姿を消し販売されなくなった数々のリンゴの品種を研究し、自宅の農園で1,000種類を再生した。そして週末のファーマーズマーケットで実際にさまざまなリンゴを並べて見せたり、ワインにしたりと、さまざまな方法で下の世代に伝えているのだ。

80歳近くにして人生の新たな楽しみと情熱を見つけ、リンゴの多様性も守っている彼の活動には希望が持てる。

【参照サイト】Meet the Appalachian Apple Hunter Who Rescued 1,000 ‘Lost’ Varieties

まとめ

この社会には、もちろん課題も多くある。そして課題(ネガティブに見えるもの)に目を向けた報道を多くするのも、「権力者の監視をする」という意味ではジャーナリズムの役割の一つだ。また、そもそも人間には、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に目が行く「ネガティブ・バイアス」の機能が備わっていると、BBCの科学ジャーナルScience Focusは説明している。

今回紹介した5つのグッドニュースは、さまざまな社会課題から目を背けて「じゃあ自分は何もしなくていいや」と行動を起こさないようにするためのものではない。

むしろ、こうした希望が持てる情報を通して、私たちが今生きている社会も捨てたものではないな、と思えたり、希望を持ってアクションするに値する世界だと思えたりしたら幸いだ。引き続き、IDEAS FOR GOODでは「社会課題に対するユニークな解決策」と並んで「少し心が明るくなる情報」も発信していく。

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