環境や社会、動物の権利などに配慮した「エシカルファッション」。日本でも、百貨店でエシカルファッションブランド展が開かれるなど、見聞きする機会が少しずつ増えつつある。
とはいえ、いざエシカルな服を買おうと思っても、どのようなブランドがあるのか、どこで売っているのか、どうエシカルなのか、価格帯はどうか、調べはじめると時間がかかり、結局諦めてしまったという人も多いのではないだろうか。
このようなアクセスのしづらさを解消するため、8月9日、イギリスで「コンペア・エシックス(Compare Ethics)」というサービスがローンチする。さまざまなファッションブランドのエシカル度を比較するツールで、利用者が自分の好みに合ったブランドを簡単に見つけることができ、そのまま買い物もできる、というワンストップ機能を兼ね備えているという。
設立者はアビー・モーリスとジェームズ・オミサキンの2人。ある日、ジェームズのジーンズに穴があいてしまったので、ぴったりなジーンズを探しにでかけたところ、多くのファッションブランドで、製品をつくる上で社会や動物、環境にどれだけの影響を与えているかについての情報がないことがわかったという。その結果、インターネットで長時間調べるはめに。
そこで2人は、労働者への公正な賃金や動物の扱い、環境問題などに関心が高い消費者がブランドを比較しながら、信頼できるお気に入りの一着を見つけられるワンストップショップを立ち上げることにした。
コンペア・エシックスの評価軸は以下3つ。
01. 社会への配慮
労働者の賃金や安全な労働環境に配慮し、児童労働をさせず、労働者が労働組合をつくる権利を認めていること。
02. 動物への配慮
毛や皮、ウール、その他動物をもとにつくる素材すべてにおいて、動物を倫理的に扱っていること。
03. 環境への配慮
二酸化炭素の排出や、エコロジカルフットプリントなどを含めて、環境負荷について配慮していること。
同サイトではこれらの評価軸と、各ブランドから提供される認証や監査結果などの情報からファッションブランドを格付けし、公開する。サイトで取り扱うブランドのなかには、以前IDEAS FOR GOODでも紹介した、1か月洗わなくても汚れない下着ブランドOrganic Basicもある。
質問コーナーもあり、利用者の関心のある事項ごとの検索も可能だ。というのも、人によってマイクロプラスチックの問題に関心がある人もいれば、動物の権利に関心がある人もいて、気になるエシカルポイントもさまざまだからだ。
「私たちの使命は、テクノロジーを通して“エシカルな消費者”を増やすこと。南アフリカのポップアップショップから、オランダの最新のアップサイクルビンテージを販売するオンラインストアまでカバーするワンストップショップで、良いブランドを見つける障壁をなくし、エシカルファッションを主流にしたい」創始者の2人はこう意気込む。
世界をリードするファッションの発信地イギリスでまたひとつ、新たなムーブメントが生まれそうだ。
【参照サイト】Compare Ethics
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