【ベトナム特集#3】とっておきの「旅の思い出」だけを売るショップ“Collective Memory”

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ベトナムの首都ハノイのショッピングストリートに、個性的で目を惹くショップがある。ローカルな職人やアーティストが手がける、こだわりの品だけを集めた「Collective Memory」だ。

Collective memory

Collective Memoryはカラフルな雑貨からノート、オーガニックコスメ、一点モノの洋服までさまざまなベトナム製のアイテムを取り揃えている。2018年11月にリニューアルオープンしたばかりの店舗に並ぶのは、名前の通り、どれも大切な「思い出」ばかりだ。

オーナーはベトナム人のホアンさん。パートナーであり写真家のチャンさんと共に、5年間トラベルジャーナリストとして世界中を旅していた。ベトナム国内でも多くの記事を書いていくうちに、自分たちの旅の思い出を形あるものとして残したいと考えた2人は、各地方で見つけた品々を周りの人々と共有できる「理想の家(Dream House)」を建てた。これがCollective Memoryのはじまりである。「お客さんには、自分の家にいるみたいにくつろいでいって欲しい」とホアンさん。

Collective Memory オーナー

ホアンさん(左)とチャンさん(右)

彼女は、不思議と落ち着く “家”のなかのひとつひとつの商品のバックグラウンドを丁寧に説明してくれた。

Collective Memoryの製品

小さく折りたためるエコバッグ

Collective Memoryの商品

オーガニックなココナッツのまつげ美容液

大量生産をしないことで誰かの特別な一品に、というコンセプトのもとに作られた製品の数々。なかには、地域に根付く技術・文化が消えないように“形”として次の世代に残しているものもある。たとえば、ベトナムの伝統的な竹紙を使った「Zo Project」のノートやカレンダーなどだ。上の世代が積み上げてきた紙づくりの技術が時代と共に失われていくなかで、記憶をつなぐ役割を果たしているのだ。

このショップを通して、ベトナムの都市部におけるショップのあり方にも問題提起をしたい、とホアンさんは語る。「ショッピングモールに並ぶ、大量に置かれた商品はどこから来たのかわからないものばかりで、思い入れもないからすぐに捨てられてしまう。だから私たちの店では、私たちにとって特別なものだけを置くの。地域で出会ったすばらしい職人たちにも利益を還元できるようにね。」

Collective memory

筆者がこのショップを訪れたときはまだリニューアルオープンをして2日目だったが、すでに数人の観光客が立ち寄り、オーナー2人と談話する光景が見られた。

自分たちにとって忘れられない思い出、そして忘れ去られてはいけないベトナム地方部の文化を形として残すショップ。「私たちはジャーナリストだから、自分たちのライフスタイルを自由に編集したい。このお店はいわばライフスタイルマガジンなの。どうぞページをめくっていってね。」そう言ってホアンさんは笑っていた。