ペットボトルの生産量が世界2位の日本。PETボトルリサイクル推進協議会によると、毎年220億本以上のペットボトルが出荷されるという。そのうち年間26億本ものペットボトルがリサイクル回収されることなくゴミとなり、最終的に海に流れ着くこともある。
ペットボトルを使わないために水筒を持ち歩いても、中身を飲み切ってしまえば結局またコンビニや自動販売機などで買うしかない。そんな現状を打破するため登場したのは、日本初の給水アプリ「mymizu(マイミズ)」だ。2019年9月20日からiOSでベータ版のダウンロードができる。
mymizuは、日本全国にある「ボトルを持参すれば無料で給水できるスポット」とユーザーをつなぐアプリだ。現在はカフェ、レストラン、コワーキングスペース、ホテル、ショップなど8,000箇所以上の給水スポットと提携している。アプリを立ち上げると、マップで給水スポットを確認できるようになっている。
使い捨てのペットボトル等を購入するのではなく、持参したボトルに無料で給水できる場が増えれば、お財布にも環境にもやさしい。そして提携する企業や給水スポット提供者にとっては、環境保全やサステナブルな街づくりに貢献することはもちろん、イメージアップや集客効果が期待できるだろう。
9月20日のローンチは、ラグビーワールドカップ日本初開催とグローバル気候マーチ開催という世界的なイベントを意識してのことだ。日本は2020年夏には東京オリンピック・パラリンピックの開催をひかえており、世界中から多くの人々が訪れることが予想される。
日本の近年の夏の酷暑は、世界的にも大きなニュースになっており、選手はもちろん、観戦に訪れるファンも熱中症対策に一抹の不安を覚えるかもしれない。また、お祭り事になると、何かと使い捨てのカップに入った飲料が多く消費される傾向にあるので、あちこちで給水できることでこの状況を改善しようという考えだ。
オランダの「TAP」やイギリスの「Refill」など、給水スポットを探すサービスは過去にもご紹介してきたが、日本でも画期的なアプリが生まれたことは喜ばしい。mymizuは、人々を脱水症から守り、廃棄物を減らすことでサステナブルな社会の創造に貢献する。そしてアプリを通して人々が繋がり合い、絆を持つきっかけを与えているとも言えるのではないだろうか。
【参照サイト】mymizu
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