英国冷凍食品スーパー、全取引先の食品メーカー400社にプラスチック包装廃止を要求

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プラスチックの使用量削減は近年、全世界で大きな課題となっている。全世界で生産されるプラスチックは年間4億トン、そして約36%が包装容器に使用されている現状を踏まえ、特にプラスチック包装を削減する動きが加速している。

プラスチック包装削減に向けた動きは、いまやあらゆるステークホルダーに広がっている。企業は大小問わずプラスチック削減の努力を進めており、政府が主導して規制を設ける例もある。さらには、スタートアップや研究機関が削減アイデア・サービスを生み出すような動きも増えてきている。

そんな中、英国で900店舗を誇るスーパーマーケットチェーン、アイスランド社が、取引先業者である食品メーカーにプラスチック包装を削減するよう求めた。同社は2023年までにプラスチック包装の完全廃止を目指している。

アイスランド社の通達は取締役2名の連名で、400以上の取引先に送付された。自社のプライベートブランドを扱う業者に対しては、元々プラスチック削減を一緒に進めていることもあり、2018年に発表した5年後の完全廃止に向けた進捗の共有と継続的な協力を求めている。そのほかの業者に対しては、アイスランド社の目指すプラスチック包装廃止の動きに参加を促す旨を送った。

アイスランド スーパー

同社の取締役の1人は、プラスチック廃止に向けて食品メーカーが重要なパートナーだと考えており、今回の通達にも好意的な反応が寄せられている旨をコメントしている。またメーカー側からも、アイスランド社のビジョンに共感しつつ、国連のSDGs達成に向けて自社ができることを最大限行っていく意思を示すコメントも見られた。

アイスランド社は2018年に2023年までのプラスチック包装廃止計画を発表して以来、すでに2,100トン以上のプラスチック使用削減を実現している。完全廃止に向けて、実際に取り組むべき10の指針も設けているという。たとえば以下のような具体的な行動を促しており、自社だけでなく取引先と協力することも含まれる。

  • 包装を家庭でリサイクルしやすい素材に切り替える
  • 包装を最小限にとどめる
  • 紙、ガラス、金属、木材を使用する
  • 黒色プラスチックのようなリサイクルが難しい素材ではなく、リサイクル可能なものや分解可能なものだけを使う
  • 毎年プラスチック削減の進捗を報告する
  • 食料廃棄物の収集をすすめる

食品業界におけるプラスチックの削減・廃止は、消費者の行動に大きな影響を与えるテーマであり、消費者・メーカー・小売業者など幅広いステークホルダーの協力が必要な課題だ。

アイスランド社のように環境問題に関心の高い経営陣がリーダーシップを発揮し、自社だけでなく取引先や消費者に協力を求め、同じ目標達成に向けて行動を起こす社会課題解決の形は、企業主導の社会課題解決において今後も重要になるだろう。

【参照サイト】アイスランド
【参照サイト】Iceland calls for supplier support to reach plastics phase-out target