IDEAS FOR GOODでは、自分が自然や人とどのような「つながり」をもっているのかを可視化し、これからどんな「つながり」を築いていきたいのか、読者の皆さんと一緒に考えていきたいという思いから、「Design for Good 〜つながりのリ・デザイン展〜」を企画しました。
今回は、8週連続トークライブ配信イベントより、2020年6月16日に行われた、第1回「つながりをリ・デザインする、コミュニティアート」のイベントレポートをお届けします。
今回のゲストは、本企画展のチーフキュレーターであり、個人でもフィンランドやポルトガルなど世界各地で「つながり」をテーマにしたアート活動も展開しているIDEAS FOR GOOD編集部のメンバー・水野渚。今回の企画展にかける想いや、「つながり」とサステナブルな暮らしとの関係、「つながり」を可視化するコミュニティ・アートについてお話ししました。トークのファシリテーターは、IDEAS FOR GOOD編集長の加藤佑が務めています。
話者プロフィール:水野 渚(みずの なぎさ)さん
今回の企画展のチーフキュレーターであり、個人でもフィンランドやポルトガルなど世界各地で「つながり」をテーマにしたアート活動も展開しているIDEAS FOR GOOD編集部のメンバー・水野渚。IDEAS FOR GOODでの記事:https://ideasforgood.jp/author/nagisa-mizuno/。個人ウェブサイト:https://mizunagi.com/
「自然」「人」「自分自身の内面」とのつながりを可視化
加藤:今回の「つながりのリ・デザイン展」の中身について教えてください。
水野:主に、三つのつながりをリデザインしていきたいと思っています。一つ目が自然とのつながり、二つ目が人とのつながり、そして三つ目が自分自身とのつながりです。まず、自然とのつながりですが、本来、人も自然の一部です。ただ、特に都市に住んでいると、建物の中にいる時間が長く、自然は週末に山や海、川に遊びに行くというように娯楽の対象になっていて、なかなか普段の生活で自然を感じる機会は少ないと思います。しかし、よくよく身の周りを見てみると、食べ物や服、建物など、すべてのものが自然からできています。そこを改めて可視化することによって、自分たち人間も自然の一部であることを感じていただけるような展示内容になっています。
加藤:まさに、人間と自然との関係性はIDEAS FOR GOODでもとても大事にしているテーマです。人間と自然を切り離し、自然を人間が生活するための資源として持続可能な形で開発していくというサステナビリティの考え方では不十分であるという議論もあります。最近は、人間を自然の一部として捉え、共に繁栄していく、人間の活動を通じて自然そのものを再生していく「リジェネレーション」の考え方が求められています。人間がいなくなれば良いという話ではなく、いかに人間と自然とが共生関係を作っていくのか。そこの関係性のリデザインを今回のテーマにおいているということですね。
水野:はい。二つ目は、人とのつながりです。私たちの生活は、家族や友人、会社の同僚、食べ物を育てたり作ったりする人、それを流通する人など、海外や地方にいる方を含め、多くの方々とのつながりによって成り立っています。お店に行くと、最終的な完成物だけ置かれているので、その背景にどのような人たちが関わり、どうやってそこまで来たのかが、なかなか見えにくいです。今回の展示では、そのような関わりをお見せすることで、自分たちが多くの人によって支えられていることを、改めて実感してもらえる機会になればいいなと思っています。
加藤:様々な人によって今の自分の生活があるというところまで想像力を膨らませると、自然と身の回りにある物を大切にできると思います。コロナ禍で食料の不安が広まって、都会だとスーパーからものがなくなりましたが、もし向こう3軒両隣が知り合いで、お互いが助け合える関係性であれば、そこまで不安になって買いだめをしなくてもいいのではないかと。効率的なシステムの中で、近くの人とのつながりが分断されてしまっている部分もあるのかなと思います。このような人とのつながりをどう取り戻していくかというのが二つ目のテーマですね。
水野:最後は、自分自身とのつながりです。普段、忙しく過ごしていると、自分のことを見つめ直したり、考えたりする時間を確保することが難しいと思います。今回、コロナ禍で在宅の時間が長くなったことで、やらないといけないと自分が勝手に思い込んでいることと、自分が本当にやりたいことや心地よいと思うこととの乖離に気が付いたという方もいるかと思います。本来は、自分の中の論理的な部分と感情的な部分のどちらも大切にすべきです。展示会では、自分をもう一度見つめ直せるようなアイテムや作品に触れ、自分自身を大切にする機会にしていただきたいです。
加藤:インナーサスティナビリティとも言いますが、外側に対して発信していることと自分の内面がきちんとつながり合っていることが、精神面でも大事です。特に、コロナ禍をきっかけに自分が何のために働いているのか、生きているのかを考えた方も多いなか、右脳と左脳または内側と外側とのつながりをもう一度取り戻していくことが大切だと思います。
「つながり」と「サステナビリティ」との関係とは?
加藤:IDEAS FOR GOODで発信している記事の根本にあるものの一つが、サステナビリティです。今回、コロナ禍からの社会を考えたとき、サステナビリティが一つポイントになると思います。サステナビリティと今回の企画展のテーマであるつながりの関係について教えてください。
水野:サステナビリティ(Sustainability)の語源は、sustain(支える)とability(できる)です。つまり、「支えることができる」という意味です。そこで、自分がいま、どのようなものに支えられているのかを考えたとき、家族や友人、食べ物や空気、服など身の回りのアイテムを作っている方々、自分を存在させてくれた親やその親など、無数のつながりで成り立っています。こうした一つ一つのつながりを大切にすることが、これからも支え続けられる社会、つまりサステナブルな世界につながっていくと考えています。
加藤:そうですね。人や環境など、様々なものに支えられて生きている自分を改めて実感することで、自然とサステナブルなあり方が見えてくると思います。そのため、つながりを意識することが、サステナビリティの出発点であると感じました。
また、サステナビリティの語源も面白いですね。Sustainの語源は、木の根っこのように「下に掴んで離さない」という意味です。木の幹や枝、葉は見えますが、地下まで見ると根っこがあり、その根っこによって支えられています。木は、空気中の炭素を光合成で吸収し、地下に貯蔵するため、地上だけでも地下だけでもなく、両方をつなぐ存在だと思います。木は地上と地下という境目をつないでいる存在という意味でもサステナビリティの象徴だと感じました。
白玉を使ったコミュニティーアートがもたらすつながり
加藤:水野さんが活動されている、コミュニティアートについて教えてください。
水野:コミュニティアートとは、アートをメディアとして、コミュニティの課題を可視化したり、価値を再発見したりするアート手法です。演劇に親しんでもらうために観客を育成する方法として1960年代にイギリスでスタートしたあと、次第に演劇の制作プロセスに関わってもらうことで、コミュニティの問題を共有したり解決したりする手法へと変わりました。
私が自分のアートをコミュニティアートと呼んでいるのには二つ理由があります。一つは、外部者である自分があるコミュニティに行き、その場所を題材に作品を制作することで、すでにある価値を再発見することにつながるからです。また、コミュニティ(community)の“Co”というのは、「共に・相互に」という接頭語です。つまり、私のアート作品は、自分だけではなくコミュニティの人がいるからこそ成り立つし、コミュニティの人と共に作り上げているという意味でも、コミュニティアートという言葉を使わせてもらっています。
具体的には、白玉を使ったコミュニティアート活動をしています。なぜ白玉なのかですが、私、白玉が好きなんです。二つ目は、白玉粉は白色ですが、例えば緑茶パウダーやイチゴジャムを混ぜると、色がついてカラフルな粘土のようになり、何かを創造するときに使いやすい材料だからです。三つ目は、白玉で作品を作ると、最後に食べることができ、廃棄物も少なくなるからです。
具体的な活動としては、2019年から白玉を使ったコミュニティアート制作を始めました。最初はカンボジアで白玉を作って配ったり、東京のアーティストシェアハウスや福岡のアーティストインレジデンスで「10年後の自分を白玉で作る」というテーマで、アートワークショップを開催しました。
フィンランド人にとって自然とは何か?
水野:今日は、2019年11月から2020年1月にかけてヨーロッパに滞在してアート活動を行ったときのお話をしたいと思います。一つ目は、2019年11月に滞在したフィンランドについてです。ヘルシンキからバスを乗り継いで5時間ほど行ったところにある人口約1500人の町エノンコスキにある旧小学校に、一ヶ月間滞在していました。森と湖、馬もいる、自然に囲まれた場所です。
ここでは、地元の方を対象に「あなたにとって自然とは何ですか?」というテーマで、白玉アートを作るワークショップを開催しました。参加者は、町長や会場であるカフェのスタッフ、常連さん、アーティストインレジデンスで一緒に滞在していた各国のアーティストの方々です。植物や虫、草、ハート、人を形作った作品が出来上がりました。この写真は、参加者の作品の一部です。
加藤:なぜ「自然」というテーマ設定にしたのですか?
水野:1ヶ月間毎日、森か湖に歩きに行きました。そうした毎日を送っていると、だんだんと自然と自分との境界線が曖昧になり、不思議と自然の声を聞こうという気持ちになりました。自分も本当に自然の一部であるということを肌で感じるようになったのです。そこで、この環境でずっと暮らしている方にとって自然とは一体どういう対象なのかと疑問に思ったので、それをテーマにしました。
加藤:自然の中で暮らしている人と、少し離れた場所で暮らしている人とで、自然に対しての捉え方が違う。自然と共生して暮らしている人にとって「自然とは何なのか」を、白玉を使った作品を通じて可視化するというのが今回のテーマですね。
水野:はい。私は「自然」と聞いたとき、人間も自然の一部だと思い、人間と自然とのあいだをテーマに作品を作りました。実は、この考え方は日本語の大和言葉にも表れています。例えば、顔のパーツと植物のパーツは同じ音です。「め」は「目」と「芽」、「はな」は「鼻」と「花」、「ほ」は「頬」と「穂」、「み」は「耳」と「実」、「は」は「歯」と「葉」と同じ音です。日本にも従来、人間と自然は一体という感覚があったのだと思います。
この作品は、透明の器の中が人間の身体を、白いお皿の上が外界の世界を、表しています。人間の身体と外界の世界は一応分かれていますが、透明のガラスを使うことで、その「あいだ」の曖昧さを表現しています。例えば、お皿の上に穂を置いて、器の中にも果物の筋で作った「穂」を置くことで、人間の身体と外界の世界がつながっていることを表しています。
加藤:人間と自然を分けて考えていなかったという日本の文化的な背景を形にするのがすごく面白いですね。先ほど、現地の方が虫の作品を作られたということですが、虫はスコープとしてはとても自然に近い気がします。僕のイメージで自然を絵にすると、森や林のイメージがありますが、虫はもっと具体的で、対象とする物体との距離が近い。まさに自然との距離感が反映されている作品ですね。
水野:都市に住んでいると、自然の中に行くことはリラックスしたり楽しんだりする目的が多いですが、彼らにとっては、きのこを採集したり、鹿を捕獲して食べたりと、自然が暮らしの一部になっていることを実感しました。
プラスチックは不自然なのか?
水野:フィンランドの後はポルトガルのメセジャナに滞在しました。首都のリスボンからバスで2時間ぐらいのところにある、人口900人ほどの小さな町です。
家の壁が白く、屋根が赤や青で、青空の下に緑の丘がある、素敵な場所でした。ここでは、”Transformation”(変革)というタイトルの、フードインスタレーションを制作しました。メセジャナで収集した素材を使い、珊瑚礁をモチーフに作りました。問いかけたかったメッセージは、安価なプラスチックが地球に与える影響や、私たちのこれからのプラスチックとの向き合い方です。
加藤:なぜプラスチックをテーマにしたのですか?
水野:メセジャナは素敵な場所ですが、歩いているとプラスチックゴミが多く落ちていました。それを見て残念な気持ちになったのですが、この残念な気持ちは、プラスチックという、いわゆる人工物が自然の中に落ちていることからくる違和感なのかなと思いました。しかし、よくよく考えると、確かにプラスチックは原油からできていますが、その原油は死んだプランクトンや生物の死骸が堆積してできたもので、元々は自然ですし、生物の貴重な命が含まれている素材です。プラスチックがこれほどまで貴重な素材であると知っていれば、もっと大切に使う気持ちが出てくるのかなと思いました。
加藤:プラスチックの過去を遡ると、人工物のようである種天然の素材ですよね。さらに、作られるまでにすごく時間がかかっているという側面まで考えると、大事にしないといけないと思いますし、自然と人工の境目の部分に対する一つの問いかけになるかなと思いました。「トランスフォーメーション」というタイトルは、どのような意図でつけたのでしょうか?
水野:「トランスフォーメーション」(変革)というタイトルは、私たちの生活の中にあるほぼ全てのものは、いろいろなものの変化の結果であるという考えから来ています。プラスチックだけではなく、ガラスも元々は砂だったり、家も木だったりします。
加藤:自然を理解するプロセスが科学、サイエンスであり、技術が実際に自然を人間が利用できる形に変形、加工する、というのが科学技術の本質的な意味だと思います。例えば、人間は火を使えるようになったことで、お肉を焼いて食べられるようになり、動物をタンパク源として摂取できるようになりました。技術という本質に、資源を変形するという意味があると思うので、そのあたりの話にもつながると感じました。作品について簡単に説明していただけますか?
水野:プラスチックの原型であるプランクトンや、海の中にいる生物を表した作品で、作品の半分が食べられる素材からできています。
お皿の中は、白玉と寒天でできています。手前が、プラスチック製のかけらで、メセジャナで集めたプラスチックを細かく砕いて、大きな機械でプレスして作ったものです。自然素材でできた作品の中に、一個だけプラスチックの存在を置くことで、人によって違和感を抱いたり、抱かなかったりと、自然と人工物との境界について考えを巡らせてもらいたいなと思っています。
加藤:個人的には、違和感はあまりなかったですね。現地の人の反応はいかがでしたか?
水野:そこに関しては、現地の方も違和感は少なかったかもしれないです。あと、作品の一部を食べることができるという意味でも、鑑賞者と作品がつながれるところも意図しています。
加藤:エディブル(edible)であることによって廃棄がなく、環境面でマイナスがないアート作品ですね。そして、食べることで、鑑賞者が作品を取り込み、逆に食べられるものを作ることで、鑑賞者の一部を作品の中に取り込むという、お互いの関係性を作るという意味でも非常に重要ですね。
水野:そうですね。「食べる」行為に加え、多くの地元の方にも協力していただくことで、コミュニティアートに仕上げました。例えば、作品の中で使っているコルクは地元のコルク職人さんに譲って頂いたコルクです。地元の方の作品や協力があってできている作品です。
加藤:作品作りのプロセスにもコミュニティの人が関わり、作品を地域の人に見に来てもらい、そこでまた新しいつながりを作るという、まさにつながりのリデザインですね。
水野:ここでも子ども向けにアートショップを行いました。みんな、白玉のふわふわとした食感が初めてだったようで、すごく楽しんでくれていました。
加藤:アートを通じて、人と人や、自然と人とのつながりについて問い直したり、作品を食べることによって、作者と鑑賞者とをシームレスにし、つながりを作る。様々な意味でつながりをリデザインしているアート活動だと思いました。
レジリエントな社会に必要なアートの問い
加藤:アーティストとしてサステナビリティとどう向き合っていくかや、サステナビリティにおけるアートの役割についてお考えをお聞かせください。
水野:アートは課題を解決するものではなく、課題を発見するものですし、新しい見方や価値観を提供できるツールだとも思います。コロナ禍をはじめ、不確実な時代に唯一の正解はないなか、持続可能であるためには、どんな状況にも耐えられ、乗り越えられるような多様性が大事だと思います。アートは多様な見方や価値観を提供するという点で、多様性が求められる時代に大きな役割を果たします。自分の中にも多様な見方を持つことによって、これからの時代に自分自身がサステナブルに生きることができ、持続可能な世界につながっていくのかなと思います。
加藤:コロナのパンデミックから復活するにあたって、レジリエントな社会、経済を作ることがテーマになっていますが、分散をさせたり、多様性を担保したりすることで、何か一つがダメになっても他が大丈夫といったレジリエントな社会になるのかなと思います。経済が多様性を求めるのであれば、個人にも多様な視点や考え方が必要となりますが、アートの問いを通じて物事に対する新しい見方を発見することができる。それによって自分の中にインナーダイバーシティを作っていくことが、個人としてのレジリエンス、ひいては社会全体のレジリエンスにつながっていくということですね。
加藤:デザインは問題解決で、アートは問いというお話がありました。一方、今回、つながりのリデザイン展ということで、リデザイン展とアートの関係性についてどう捉えていますか?
水野:リデザインというタイトルをつけていますが、私たちがリデザインするのではなくて、来店者の方にリデザインしてもらいたいなという想いがあります。自然や人、自分自身の内面とのつながりを可視化し、それを一つの材料やヒントにしていただいて、最後は自分自身でこれからどういったつながりを作っていきたいのかを考えていただく展示にしたいです。リデザインというタイトルですが、アートに近いです。
加藤:なるほど。確かに僕たちも正直答えを持っているわけではないのですね。これが正解ですという展示ではなく、みなさんに自分なりの問いや大事なつながり方を模索していただくヒントやきっかけを提示する場所にしたいという意図で企画しているという意味では、まさにアート展ですね。
「あいだ」にあるつながりを大事にするとは?
加藤:最後、水野さんにとってつながりとはなんでしょうか?
水野:「つながり」の一つの英訳が、”Connection”(コネクション)です。”Connection”の”co”は、先ほどのコミュニティの“co”と同じで、「共に・相互に」という意味です。つまり、つながりはAとBとの「あいだ」に存在するもので、どちらか一つでは存在しえません。二つ以上の要素があることで存在し、その「あいだ」にあるつながりを大事にするということは、それを成り立たせているAとBのどちらも大事にするということです。
自然とのつながりでは、自然だけではなくて、それとつながっている自分も大切にしますし、他人とのつながりでは相手だけではなくて自分自身も大切にしますし、自分自身とのつながりでは、頭で考える論理的なところだけではなく、気持ち・感情の面も大切にします。
加藤:つながりは、二者の「あいだ」にある目の見えないもので、その「あいだ」を大事にするということは、 AもBも大切にすることだというのは面白いですね。自然とのつながりを考えること自体が自分を大事にすることにもつながると思いますし、人間も自然の一部だと考えると、人間を大事にすることは自然を大事にすることにもなる。切り分けて考えるのではなく、お互い共に生かし、生かされるような関係性を問い直していくのが、つながりを考える上で本質なのかなとお話を聞いていて思いました。
水野:加藤さんはつながりについてどうお考えですか?
加藤:ともに生かし生かされるということは、お互いが持っている価値を認め合うということだと思います。例えば、人間と自然、生産者と消費者、都市と地方、途上国と先進国など、様々なところで分断が起きていますが、どっちがいい、悪いではなく、お互いに価値を認め合い、依存し合いながら共に生きていく。お互いに持っている価値を見つけ合い、発見し合うプロセスが「つながり」になるのだと思います。モノやお金、サービスが溢れている世の中では、新しいものを作るよりも、既に今あるものの中に価値を見出していくという姿勢がとても大事ですし、サステナブルなあり方にもつながるのだと思います。
編集後記
コミュニティアートとは何かから、水野さんがフィンランドやポルトガルで制作されたアートワークショップやインスタレーションの意図まで、アートが作るつながりについて話を聞くことができました。また、「サステナビリティ」の語源から、なぜ「つながり」を大事にしないといけないのかを考えるお話が面白かったです。さらに、レジリエントでサステナブルな社会を創っていくために、アートの問いやアートがもたらす多様な価値観が必要であるという話も、なるほどと思いました。
白玉を使ったコミュニティアートがもたらす様々なつながり。一つ一つは小さなことかもしれませんが、自分の身の回りのモノやコトを大切にすることが、より良い社会全体につながっていくのだと感じました。
次回のイベントレポートもお楽しみに!
【Youtube動画】【ゲスト:水野渚(IDEAS FOR GOOD編集部)】Design for Good 〜つながりのリ・デザイン展〜 Vol.1「つながりをリ・デザインする、コミュニティアート」
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