住宅や駅、学校、公共施設。私たちの生活を支えている建築は、多くの資源や人の手を用いて作られるため、良くも悪くも社会や環境に与える影響力が大きい。脱炭素という言葉が世界中で聞かれるようになった昨今は特に、建設時の廃棄物削減や、建物のエネルギー使用効率を高めるアプローチなどがますます必要とされている。また、社会的な側面でも、社会的弱者とされている人たちのための建築や、多様性を尊重した設計なども、建築において重要となってきている。

今回は、2021年にIDEAS FOR GOODが取り上げたなかでも編集部が特にユニークだと感じた建築10選を一挙にご紹介する。あっと驚く魅力的な建築のアイデアが満載だ。それでは、早速ご紹介していこう。

世界のグッドな建築アイデア10選

01.“古の英知”が、気候変動への対策のヒントに

メキシコの先人の知恵に学ぶ「災害に強い駅」の作り方

02.建設期間は一週間

教育へのアクセス拡大を。3Dプリンターでつくる学校、マダガスカルに誕生

03.自然素材での建築の可能性に挑む

約100種類のバイオ素材でできた、オランダの家

04.解体後まで見据えたデザイン

サーキュラー建築で廃棄物を最小限に。デンマークの「分解可能な」複合施設

05.伝統的な建築に近代の技術を融合

伝統技術を守りながら歴史を伝える、南アフリカの図書館

06.魅力的な建築で地域の貧困を解消

イランにできた土と砂の家。貧困に苦しむ住民と、観光客を結び付けるコミュニティハブへ

07.自然を再生しながら観光を楽しむ

海に浮かぶホテル「GAIA」3Dプリントのサンゴ礁で生態系保護へ

08.建物のエネルギー消費量を正味ゼロに

省エネと創エネで実現する、韓国初のゼロエネルギー美術館

09.廃棄素材から作るプレハブ住宅

コーヒー豆の殻で家を建てよう。コロンビアの農村部を救う新素材「WPC」

10.建てる時も建てた後もエコフレンドリーに

世界初、3Dプリンターでつくる「ネット・ゼロ」の住宅コミュニティ

終わりに

いかがだっただろうか。2021年は、建設時の廃棄物を削減できる3Dプリンターでの大規模な建築プロジェクトや、コストを抑え手早く組み立て・分解ができるプレハブ型の建築などが多く見られた。また、再生可能エネルギーの使用や伝統技術を用いた設計でカーボンニュートラルを目指す建築も増えてきている様子がうかがえた。

私たちの暮らしや環境に大きなインパクトをもたらす建築。2022年も、魅力的なソリューションが次々と生まれることを期待したい。