パリの大気汚染に歯止めを。セーヌ川を駆け抜ける、空飛ぶ水上タクシー「SeaBubbles」

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2016年12月、フランスの首都パリは冬季としては過去10年間で最悪となる大気汚染に見舞われた。自動車の渋滞や排気ガスなどがその主たる要因で、同市では既に交通規制をはじめとする様々な対策がとられている。

そんなパリで、新たに大気汚染を減らす方法の一つとしてユニークな交通インフラが誕生しようとしている。それが、2017年の夏から市内を流れるセーヌ川を走行予定の、環境に優しい水上タクシー「SeaBubbles」だ。

(※画像:SeaBubblesより引用)

下についている羽の効果でまるで宙に浮いているかのようにも見えるこの乗り物は、バッテリー駆動のため排気ガスはゼロだ。自動車よりもエコなだけでなく、セーヌ川は道路ほど渋滞していないため、利用客はストレスも少なく移動することができる。

SeaBubblesが環境に優しいのは排気量の少なさだけではない。すでに街中にある川を使うため、新たにインフラを整備する必要もなく、フルスピードで走行しても波を立てないため川岸を侵食することもない。また80~100 km で走っても静かなため、騒音公害も引き起こさない。5 人まで搭乗可能で、安全で楽しい乗り物だ。

水路を利用した交通網はかつて盛んだったこともあるが、特に先進国では、時代の変化とともに徐々に廃れていった。たとえば東京では、江戸時代の頃には膨れ上がる人口の生活物資を調達するべく水運が活発に機能していた。だが、その後人々の生活圏が広がっていくと、陸路、海路、空路が発展していき、水路は流通の中心から外れていった。

それが今、水路はエコな移動ルートとして再び注目を集め始めている。しかもSeaBubblesは昔の船とは違って進むスピードも速いため、利便性も高そうだ。水運は環境問題を解決しつつ人々の生活を支える交通網になりうるのだろうか。未来の流通の姿とは。試行錯誤は始まったばかりである。

【参照サイト】SeaBubbles